1月28日時点のまとめによると、WHOに報告があった鳥インフルエンザH5N1のヒト感染例は、2003年からこれまでに471件となった。うち死亡者は282人で致死率は59.9%となっている。

 2010年は、1月28日にエジプトから4例の報告があった。20歳女性(Baniswief)、1歳男児(Dakahalya)、3歳男児(Assuit)、45歳男性(Shargea)の4人で、それぞれ1月6日、7日、19日、12日に発症し、その後入院しタミフルによる治療を受けたという。いずれも、現在は安定した状態にある。感染源調査では、すべての症例で病気または死亡した家禽との濃厚接触が示唆されている。また、4人の間には疫学的な関連はないことが報告されている。

 この4例を含め、2003年以降これまでにWHOに報告があったヒト感染例は471人となった。そのうち死亡例は282人にのぼり、致死率は59.9%と依然として高水準にある(図1)。

図1 鳥インフルエンザ・H5N1のヒト感染例と致死率の推移(WHOのまとめから作成)

 全体的な傾向としては、2006年の115人をピークに、2007年は88人、2008年は44人と鎮静化の傾向を強めていた。ただ、2009年は72人と増加に転じた。

 気になるのは致死率の動向。全体の致死率は、2008年に75.0%まで上昇したが、2009年は44.4%まで落ちてきている。特に、エジプトでの致死率の低下が影響している。

 エジプトでの致死率の低下は、治療体制の整備を反映したものとも言える。ただ、警戒すべきなのは、新型インフルエンザの発生兆候の1つとして「軽症例の増加」があること。今後も、ウイルス自体の変化を注視しなければならない。

■WHOのリリース
Cumulative Number of Confirmed Human Cases of Avian Influenza A/(H5N1) Reported to WHO