近畿医療福祉大学の勝田吉彰氏

 過去のパンデミック時と今回の大きな違いの1つは、インターネットによる情報提供が力を発揮していることだろう。2003年のSARSの流行時に、北京で日本大使館医務官だった勝田吉彰氏(近畿医療福祉大学、写真)は、「ちぎっては投げ方式でこまめに情報提供をすることで、現地の日本人社会の不安を和らげた」と振り返る。新型インフルエンザが騒がれるようになってからは、このときの経験を元にブログを立ち上げ、日々情報を発信し続けている。勝田氏に「今、忘れてはならないこと」を綴っていただいた(「パンデミックに挑む」編集)。


 4月から始まった新型インフルエンザ流行。WHOがパンデミックを宣言し、5月から日本国内のケースがマスメディアを賑わした。夏からグンと伸び、その後、11月のピークを過ぎて現在に至る。

 比較的落ち着きを取り戻しつつある今、次期シーズン入りに備えた“キャンプ”的感覚でおさらいをしてゆきたいと思う。

 まずは、年末年始に気をつけたいこと。

 皆さんはどんな年末年始を過ごされるだろうか。帰省? 初詣? 海外旅行? はたまた当直室?

 ポイントは「手洗い」「咳エチケット」「低人口密度志向」。

 旅行先では勝手の違うことも多い。石鹸のない洗面所、水の出ない駅なんてのもある。携帯用消毒スプレーをポケットに忍ばせておく意味はより大きくなる。

 咳エチケット。当サイトの読者で咳エチケットを守らない人は皆無だろうが、ここは周囲を教育するチャンスだととらえてほしい。普段なかなか顔を合わせない子供たちは、平気で咳をしていないだろうか。たまに帰省してみたら、老親はどうしているだろうか。親類一同集まってみたら・・・、良いところを見せるチャンスかもしれない。年末年始の来客用にマスクを用意しておくのも気が利くだろう。

 人ごみはぜひ避けたい。初詣はメジャーどころはやめて、「ご近所の氏神様」をじっくり拝むと良いことがあるかもしれない。列車の旅はノンビリ旅行がお勧めだ。概して、各駅停車はそうでない列車より車内人口密度が低めなことが多くて狙い目だ。新幹線なら「こだま」「なすの」、在来線なら「快速」より「普通」、私鉄なら「特急」より「準急」「各停」。きっと「のぞみ」「新快速」「快速急行」の流れる車窓からは気が付かなかった新たな発見があるだろう。

 海外に行く人は、「グーグルトレンド(http://www.google.org/flutrends/)」で行先の様子を把握してから空港に行こう。北半球も南半球もシーズンオフ入りしている国が多いが、たとえば執筆時点でもウクライナやハンガリーの流行度は高い。行先の医療事情を外務省医務官情報(http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/index.html)でチェックしてゆくこともお忘れなく。