厚生労働省が発表している「入院サーベイランスの報告」によると、12月9日時点で新型インフルエンザ感染者の入院は、累計で1万1924人となった。また、新型インフルエンザ感染者の死亡は、疑い例も含めて累計で107人となった。28週から48週(11月23〜29日)までの医療機関を受診した推定感染者数は累計1264万人であり、受診者ベースでは入院が1000人に1人、死亡が12万人に1人前後の水準にある。

 12月9日時点のまとめによると、集計期間ごとにみた新規入院は9月末ごろから増加を続け、10月21日の週は1112件と初めて1000件を超えた。 10月28日の週は1335件と増加し、11月4日の週には1425人となった。11月11日の週は1402件といったん減少したが、11月18日の週は1430件と再び増加している。11月25日の週は1270件と減少した。12月2日の週は656件だが、まだ反映されていない報告もありえるため、今後増えていく可能性はある(図1。前週の発表以降の修正を反映済み)。

図1 新型インフルエンザ感染者の入院および死亡の推移(厚労省のデータより作成)

図2 年齢別にみた入院患者(12月8日までの累計。12月9日時点)

新たな死亡が1週間で22件に

 入院件数の増加に伴い、重症例の報告も相次ぎ、死亡例も増えている。9月8日時点で11件だった累計死亡件数は、10月6日時点で21件と1カ月ほどで倍増となった。さらに11月3日時点で47人に、11月24日時点で70件、12月1日時点で85人、12月8日時点では100件を超え107件となった。新たな死亡例は、最近になって10人、8人、 5人、15人、22人と推移している。

 12月8日までの累計入院事例をみると、年齢では5〜9歳が5321人(44.62%)ともっとも多くなっている。1〜4歳が2237人(18.76%)と続き、前回の報告まで2番目に多かった10〜14歳(2110人、17.70%)の層を逆転した。1歳未満が449人(3.77%)と増えてきているのとあわせ、入院患者の低年齢化が進んでいる様子がうかがえる(図2)。

 15〜19歳は440人、20〜29歳は248人、30〜39歳は203人、 40〜49歳は175人、50〜59歳は197人、60〜69歳が174人、70〜79歳が211人、80歳以上が159人となっている。

 男女別では、男性7609人、女性4315人と、依然として男性が多くなっている。

推定感染者数は約189万人に

 累計入院件数の中で、基礎疾患を持つ人あるいは妊婦の合計は4206人で、入院全体の35%となっている。引き続き、基礎疾患などがない人の入院事例の方が多くなっている。

 基礎疾患のある人では、喘息などの慢性呼吸器疾患が2751人と圧倒的に多く、慢性心疾患が196人、糖尿病が181人で続いている。主に小児で心配されている急性脳症は361人、人工呼吸器の利用者は466人などとなっている(重複あり)。

 なお、12月8日までに退院(転院含む)は9575人で、ICU入院は140人、ICU以外入院は1916人などとなっている。

 国立感染研究所のまとめによると、48週の医療機関を受診した推定感染者数は約189万人となった。28週からこれまでに累計で1264万人に達している(図3)。感染者の増加に伴い重症化例も目立ってきた。繰り返すが、医療現場では如何にして効率的に重症例に対応するかが課題だ。

図3 医療機関を受診した推定感染者数