WHOは12月2日、免疫抑制状態の入院患者では、タミフルで治療してるかどうかに関わらず、インフルエンザの症状が続く場合はリレンザによる治療を考慮すべきと発表した。同時に、免疫抑制状態にある患者が治療を受けている病棟でタミフル耐性株が認められた場合は、治療およびその病棟の他の患者に暴露後予防投与を行う際に、医師はリレンザを第一選択薬とすることを考慮すべきとも指摘している。

 発表では、英ウェールズと米ノースカロライナで確認されたタミフル耐性新型インフルエンザの集団発生に言及。それぞれ、免疫抑制状態の患者が入院している1つの病棟で確認され、さらに患者から患者への感染も示唆されているとした。

 ウェールズの事例は10月下旬に確認されたもので、タミフル耐性の新型インフルエンザに感染していた8例は全員、重い血液疾患のために入院していた患者だった。3例は入院中で、1例は集中治療中だという。死者は出ていない。一方、ノースカロライナの事例は、10月中旬と11月上旬の2週間で発生したもので、4例がタミフル耐性ウイルスに感染していた。3例が死亡しているが、死因の特定には至っていない。また、2つの事例ではいずれも診療にあたった医療スタッフに感染しておらず、健常者に耐性ウイルスの感染が拡大していく状況にはないという。

 ただ、WHOは、患者が免疫抑制状態であった点を重視。免疫抑制状態の患者は感染しやすいだけでなく、治療が難しく、かつ、ウイルスが耐性を獲得しやすいことを再確認した。その上で、これらの患者では基礎疾患にインフルエンザの症状が隠れやすいこともあり、「医師は特に注意を払うべき」と強調している。

 治療にあたっては、「免疫抑制状態の入院患者では、タミフルで治療してるかどうかに関わらず、インフルエンザの症状が続く場合はリレンザによる治療を考慮すべき」とし、さらに、「免疫抑制状態にある患者が治療を受けている病棟でタミフル耐性株が認められた場合には、治療およびその病棟の他の患者に暴露後予防投与を行う際、医師はリレンザを第一選択薬とすることを考慮すべき」と結論している。

■WHOのリリース
Oseltamivir resistance in immunocompromised hospital patients