東京都が実施したアンケート調査によると、9割近くの人が「新型インフルエンザに対して不安がある」と回答した。3人に1人は、もっとも知りたいことに「治療方法や治療薬」を挙げた。一方、東京都が実施している対策について「知っている」と回答したのは、6割に留まった。

 アンケートは、福祉保健局が取り組んでいる「インターネット福祉保健モニター」の登録者を対象に実施した。期間は、9月2日正午から9月16日正午まで。モニター数320人のうち、有効回答数は192人から得られた。回答率は60.0%だった。

 注目したいのは、「新型インフルエンザに対して不安がある」と回答した人が9割近くもあったことだ。「非常にある」が44.8%、「少しある」が42.2%で、合計87%が「不安がある」と回答した。「ほとんどない」は10.4%、「全くない」は2.6%だった。特に、非常に不安と回答した人が半数近くあったことは、今後のリスクコミュニケーションの課題とすべきだろう。

 「不安がある」と回答した人に、6項目の選択肢を示し、不安の内容に近いものを選んでもらったところ、「家族や友人に感染させるかもしれない」が73.1%でもっとも多かった。「重症化するかもしれない」も67.1%に上った。「治療方法が分からない」が27.5%、「差別されるかもしれない」も12.0%あった(n=167)。

 新型インフルエンザについて、もっとも知りたいことを聞いたところ、「治療方法・治療薬」が32.8%で3人に1人ともっとも多かった。これに「受診可能医療機関」が24.0%、「予防方法」が17.2%などで続いた。「相談窓口」は4.7%だった(図1)。

図1 あなたは、新型インフルエンザについてどのようなことを知りたいですか(n=192。東京都)

 興味深いのは、東京都が実施している新型インフルエンザ対策を「知っていた」と回答したのが最多で約6割だった点。「多少知っていた」が47.9%と最多で、「よく知っていた」の10.9%と合わせると58.9%となった。約6割という結果は評価の分かれるところだろうが、「不安がある」が9割近くに上ったことを考えると、まだ対策の周知が不十分と捉えた方がよさそうだ。

 新型インフルエンザが流行した際の行動を尋ねた質問では、「帰宅時に手洗いやうがいをした」と回答したのは88%に上った。「十分に睡眠や栄養をとり、体力の維持に努めた」が63.5%、「咳やくしゃみをするときにはティッシュやハンカチで口や鼻を覆ってからするようにした」が56.3%、「新型インフルエンザの正しい情報の収集に努めた」が55.2%、「なるべく人ごみを避けた」が53.6%、「咳などの症状があるときは、マスクを着けるようにした」が45.8%で続いた。

 近々始まる新型インフルエンザのワクチン接種については、63.5%の人が「接種したい」と答えていた。「接種したくない」は18.8%、「分からない」も17.7%だった。

 ワクチンで気になる点を選択肢から選んでもらったところ、「接種を希望してもワクチンが不足していて受けられないのではないか」が66.1%、「副作用があるのではないか」も65.6%で、この2項目が60%を超えていた。

 気になったのは、「ワクチンを接種しても新型インフルエンザにかかるのではないか」が42.2%もあったことだ。ワクチンによって100%感染が防げるわけではなく、あくまでも「重症化や死亡を防ぐことに主眼がある」ことを今一度、啓発すべきだろう。

■東京都のリリース
インターネット福祉保健モニター アンケート結果「新型インフルエンザ」について