新型インフルエンザワクチンに関する意見交換会が9月9日、都内のホテルで開催された。傍聴していた蓮舫・民主政調副会長は「輸入ワクチン導入の進め方に問題がある」との認識を示し、党として調査に乗り出す意向を示した。

写真 新型ワクチンの素案公表後、初めて開かれた意見交換会

 意見交換会は、新型インフルエンザワクチンの進め方について、患者団体や日本小児科学会、日本透析医会などの関連機関から意見を聞き、情報の共有と進め方の議論を深めるために開催されてきた。8月20日に第1回を、8月27日に第2回を開催。9月4日には、これまでの議論を元に、厚生労働省が素案(注1)をまとめ公開している。

 今回は、9月4日の素案が出てから初めての会合となった。各団体・機関の代表者らからは、優先接種の必要性や具体的な優先順位については、おおむね妥当とする意見が大半だった。素案では、優先順位は、インフルエンザ患者の診療に当たる医療従事者を第一優先とし、妊婦および基礎疾患を持つ人(基礎疾患の中では1歳〜就学前の小児を優先)、1歳〜就学前の小児、1歳未満の小児の両親の順に、優先的に接種を開始するとしていた。

 ただ、不足分を補う目的で海外からワクチンを輸入する案については、安全性に対する懸念が示されたほか、想定されている輸入ワクチン候補の性状が明確でない点を危惧する声もあった。中でも、国立感染研究所インフルエンザウイルス研究センター長の田代眞人氏は、「輸入ワクチン導入を進めることの是非を最初に問われた時、公開されていなかった情報があった。なぜ、あの時輸入ワクチン導入の結論を急いだのかまことに不思議だ」などと指摘し、輸入ワクチン導入の議論の進め方に強い疑問を示した。

 たとえば素案では、1mlバイアルの場合は、2010年3月までに約1800万人分の出荷が可能としている。また、10mlバイアルの場合は効率的なワクチン製造が可能となるため、製造推定量は約3000万人分との見通しも示した。田代氏は、こうしたデータを当初から公開せずに、ただ輸入ワクチンの導入の是非だけを諮ったのは「大きな問題」と指摘した。

 10mlバイアル方式で3000万人を確保できた場合、仮に1回接種で十分な抗体が得られるとすれば6000万人分となり、国内産ワクチンだけで当面の推定必要量を確保できることになる。

 蓮舫・民主政調副会長は、会の終了後、記者が感想を求めたのに対し、「特に、輸入ワクチンの進め方は大いに疑問」などとコメントした。直ちに政調会長に報告し、党としても輸入ワクチンの問題点を明らかにしていきたいとしている。

(注1)厚生労働省の素案。現在、パブリックコメントを求めている。
新型インフルエンザワクチン(A/H1N1)の接種について(素案)
「新型インフルエンザワクチン(A/H1N1)の接種について(素案)」に関する意見募集について(電子政府の総合窓口[e-Gov])