厚生労働省は8月28日、全国的にインフルエンザ流行シーズンに入ったのを受け、今後、インフルエンザ脳症の増加が懸念されるとし、各都道府県を通じ注意喚起を行った。新型インフルエンザ感染者でインフルエンザ脳症が確認されたのは、25日までに10例に達している。

 注意喚起では、特に小児のインフルエンザ脳症を念頭に、保護者など一般の人が注意すべき点(表1)を挙げ、これらの症状がみられた場合、医療機関を受診するよう求めた。

表1 インフルエンザ脳症の早期の症状

インフルエンザ様症状(発熱等)に加え、以下の症状がある。
1 呼びかけに答えないなど意識レベルの低下が見られる
2 けいれん重積*および、けいれん後の意識障害が持続する
3 意味不明の言動が見られる
*けいれん重積
けいれん発作が30分以上持続した状態やけいれん発作を繰り返し30分以上意識が完全回復しない状態

 また、強い解熱剤(ボルタレン、ポンタールおよびこれらと同様の成分の入っているもの)は、インフルエンザ脳症の予後を悪化させるため、「必ず、解熱剤は、かかりつけの医師に相談して用いること」と注意を促している。

 今回の注意喚起は、日本小児科学会(横田俊平会長)が8月17日付けで提出した要望書に端を発している。なお、インフルエンザ脳症は5類全数届出疾患「急性脳炎」に含まれており、診断した医師は「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」に基づく届出が必要になっている。


◆関連情報
・厚生労働省のリリース;インフルエンザ脳症に係る注意喚起について(依頼)
・日本小児科学会のリリース;新型インフルエンザ(H1N1 2009)に関連してインフルエンザ脳症に関する要望書