写真 新型ウイルスの顕微鏡写真(CDC提供)

 沖縄県は8月15日、新型インフルエンザに感染した患者の死亡を確認した。同日、厚生労働省は、この事例が新型インフルエンザによる国内初の死亡例であることを確認。現時点では患者の周囲で、新型インフルエンザに感染し重篤化した人が確認されていないことから、「新型インフルエンザウイルスの病原性が変化したものとは考えていない」との舛添要一厚生労働大臣のコメントを発表した。

 患者は沖縄県の50代の男性で、心筋梗塞の既往があり、慢性腎不全のため透析を行っていた。

 沖縄県の発表によると、患者は8月9日、午後から咽頭痛と咳の症状が現れ、自宅で経過観察の状態にあった。8月10日、透析のため医療機関に出向いたところ37度台の熱があったため簡易検査を行ったがA型陰性だった。この日は、解熱剤の処方が行われている。

 8月12日、透析のため受診。その際、食欲低下と悪心、嘔吐の訴えがあった。受診時に発熱はなかったが、透析中に39度まで上昇した。その際、簡易検査でA型陽性だった。このため透析後に、タミフルを投与されている。症状としては、胸部写真で心陰影の拡大が認められ、かつ全身状態がよくなかった。このため他の医療機関へ紹介となった。

 8月12日、午後6時55分。紹介先の医療機関を受診。来院時には38.8度だった。全身倦怠感が強く、筋肉痛、悪心、労作時呼吸苦が確認されたため入院治療となった。

 翌13日は目立った変化なく経過。だが、14日に入り、未明に意識レベルが低下し、肝機能障害と血小板減少が確認された。意識レベルはいったん改善したものの、夕方から呼吸苦が悪化した。胸部レントゲン撮影では、バタフライ陰影の像が確認できたため、うっ血性心不全を疑い、透析を実施している。

 透析後、バタフライ陰影は若干改善したが、翌15日になり循環不全となり、同日午前1時半に心停止し、心肺蘇生でいったん心拍が再開したものの6時54分に死亡が確認された。

 その後、緊急にPCR検査を行ったところ、 同日午後4時ごろ新型インフルエンザ陽性であったことが確認された。

 沖縄県は、新型インフルエンザの死亡例の確認を発表する中で、死亡の原因は「心疾患や慢性腎不全を合併していた上にインフルエンザに罹患したため」との見解を示した。同時に、沖縄県では今後、インフルエンザの流行が拡大することが予想されるとし、引き続き注意するよう県民への呼びかけを行った。