写真1 シャープの発表会に詰め掛けた報道陣

 シャープは、同社オリジナルであるプラズマクラスター技術を駆使した空気清浄機の展開に注力している。新型インフルエンザの発生を機に、ユーザーの空気清浄機に対する関心が高まっていることから、引き続き、病院や公共施設などにも市場を拡大していく意向だ。

 同社のプラズマクラスター搭載商品は、2008年末時点で2000万台を達した(出荷ベース)。また、新型インフルエンザの発生した4月以降は販売台数が伸び、4-6月の空気清浄機の販売台数は昨年比で業界全体で1.4倍だったのに対し、同社の製品は3倍だった。

 プラズマクラスター技術とは、プラスイオンとマイナスイオンを空気中に放出し、浮遊するウイルスや細菌などを分解し除去するもの。2000年に特許を取得し、同年に初の除菌イオン搭載空気清浄機を発売した。それ以降、冷蔵庫や洗濯機、トイレなど他商品への水平展開も積極的に進めたほか、車や集合住宅などへ拡大したこともあって、2005年にはプラズマクラスター搭載商品が累計1000万台を超えた。以降も、新幹線車両への導入があり、また高濃度プラズマクラスター搭載の商品化にも成功、2008年末には2000万台を記録していた。

 気になる機能面だが、浮遊ウイルスに対する効能の評価では、1m3ボックスにプラズマクラスターイオンを5万個/cm3発生させ、そこにウイルスを浮遊(粒径1〜10μmの霧状にし噴霧)させたところ、浮遊ウイルスを約10分間で99.9%除去できたという。英国ロンドン大ウイルス学教授のジョン・オックスフォード氏との共同研究で実証したものだ。

 また、ドイツのアーヘン効用科学大教授のゲハート・アートマン氏との共同研究で、プラズマクラスターイオンが浮遊菌の表面細胞膜のタンパク質を破壊する分解メカニズムを解明している。同時に、細菌の遺伝子を損傷しないことも確認している。

 新型インフルエンザに絞ってみれば、その感染経路は飛沫感染あるいは接触感染が主である。「浮遊ウイルス」を除去するプラズマクラスター技術は、飛沫感染あるいは接触感染を直接ターゲットにしたものではないため、新型インフルエンザの感染防止にどれほど効果があるかは未知数だ。ただ、病室や病院の待合室など感染リスクの高い空間に導入した場合は様々な感染リスクの低減化が期待できることから、今後も導入を検討する医療機関は増えていくものと思われる。

 なお、昨年9月に発売した個人向けの「高濃度プラズマクラスター7000」を搭載した空気清浄機は、この7月末で累計販売台数が約50万台に達したという。9月には、新たに4機種を発売する(写真1)。業務用とともに、個人用でも市場拡大を図っていく姿勢を鮮明にしている。