7月24日から、新型インフルエンザの診療において、医師による保健所への届出が必要となるケースが変更となった。国の新型インフルエンザ対策の運用指針が、これまでの全数把握から集団発生の把握に変更となったための措置だが、ここでは厚生労働省健康局結核感染症課が示した「感染症法第12条に基づく医師の届出までの流れ」を紹介したい。

 全数把握から集団発生の把握への変更により、届出が必要な場合は、集団発生の疑いがあるときとなり、具体的には以下の場合となった。

 患者が通っている施設(学校、社会福祉施設、医療施設、職場、部活動、サークル、塾、寮など)で、確定患者が確認されているという連絡を保健所長から受けた場合。

 患者が通っている施設(学校、社会福祉施設、医療施設、職場、部活動、サークル、塾、寮など)で、集団発生の疑いがあるという連絡を保健所長から受けた場合。

 上記の場合以外であっても、集団発生が疑われる場合は、たとえば「同一の施設に通うインフルエンザ様症状のある患者を1週間以内に2人以上診察した場合」などには、保健所へ連絡し、届出が必要かどうかを判断することになる。

 厚労省が示した「感染症法第12条に基づく医師の届出までの流れ」(図1)はこうだ。

図1 感染症法第12条に基づく医師の届出までの流れ(厚労省)

 38℃以上の発熱かつ急性呼吸器症状がある患者が来院した場合、迅速診断キットでA(+)かつB(−)であれば、「インフルエンザ様症状を呈する患者」とする。この患者が属する施設、たとえば学校、社会福祉施設、医療施設、職場、部活動、サークル、塾、寮などで、集団発生が疑われれば、保健所へ連絡することが求められる。なお、この際に医師は「極力検体を採取する」ことを要請されている。

 連絡を受けた保健所は、患者の属する施設で確定患者が出ていることを確認した場合、書面等で医師へ連絡することになる。連絡を受けた医師は、擬似症患者(法律で定める患者みなし)として、新型インフルエンザ発生届出によって保健所へ届け出ることになる。

 保健所で患者の属する施設で確定患者が出ていることを確認できない場合は、寄せられた情報から保健所が集団発生の疑いを判断。集団発生の疑いと判断すれば、保健所が連絡元の医師から検体を入手しPCR検査を実施する。ここで陽性となれば、「確定患者」となり、連絡元の医師へ届出をするよう連絡することになる。

 迅速診断キットでA(−)であれば、臨床的に新型インフルエンザへの感染が疑われるかどうかを判断することになる。ここで疑いありと判断すれば、上記の手順で先に進めることになる。迅速診断キットでA(−)であっても偽陰性の場合があるため、臨床症状から「インフルエンザ様症状を呈する」と判断できれば、次に集団発生の疑いを確認することになる。

 迅速診断キットでA(−)であってかつ臨床的にも疑いなしと判断すれば、一般診療を続けることになる。

 一方、 迅速診断キットでB(+)であれば、やはり一般診療を続けることになる。

 なお、迅速診断キットを使わなかった場合も、臨床的に新型インフルエンザへの感染が疑われるかどうかを判断することになる。「疑いあり」あるいは「疑いなし」の判断に従って、それぞれの手順を踏むことになる。