発熱外来の廃止を発表する自治体が増えている中、もしも発熱などの症状が出た場合にどこへ行ったらよいのか不安に思っている人も少なくない。国が改訂した運用指針をもとに、基礎疾患のある場合、妊婦の場合、通常の場合のそれぞれについて、今後の受診の流れをまとめた。

 東京都は8日、7月10日をもって発熱外来を廃止すると発表した。同時に、「発熱相談センター」を「新型インフルエンザ相談センター」と名称を変えた上で、受診する医療機関が分からない人や自宅療養の人の相談窓口として継続することになった。

 これは、国の「医療の確保、検疫、学校・保育施設等の臨時休業の要請等に関する運用指針」の改定にともなう措置。これによって東京都は11日から、新たな相談・医療提供体制で新型インフルエンザに臨むことになった。

 東京都に限らず他の自治体でも、発熱外来を廃止し新たな相談・医療提供体制に切り替えるところが広がっている。以下、変更後の受診の流れをまとめた。

基礎疾患などがある場合、まず、かかりつけ医に電話で相談

 基礎疾患などがある人は、急な発熱などの症状が現れた場合には、受診する前にかかりつけ医に電話で連絡することが基本となっている。いわゆるハイリスクと指摘されている人は、新型インフルエンザに罹患することで重症化する危険性が高い人のこと。妊婦、幼児、高齢者のほか、慢性呼吸器疾患、慢性心疾患、糖尿病に代表される代謝性疾患、腎機能障害、免疫機能不全(ステロイド全身投与も)などを有している患者で、治療経過や管理状況などから医師が重症化のリスクが高いと判断した人とされている。

 具体的には、以下のようになる(図1)。

 基礎疾患等のある患者(妊婦以外)は、まず、かかりつけの医師に電話で問い合わせて、受診時間等の指示に従うことになる。その医療機関での診療が困難であると判断された場合は、「発熱外来機能」を有する医療機関の紹介を受ける。夜間などの発熱の場合については、かかりつけ医と相談の上で、「あらかじめどのようにするかを決めておくことが望ましい」とされている。

 まずは通常の診療の際に、かかりつけ医に相談してみる必要がある。

 なお、「発熱外来機能」とは、発熱患者とその他の患者について受診待ちの区域を分ける、診療時間を分けるなど、院内感染対策を強化した外来機能のこと。医療機関以外のところ、たとえば公共施設や屋外テント等に発熱外来を設置については、都道府県が地域の特性に応じて検討することになっている。自治体ごとに対応が異なる場合があり、「発熱外来機能」を持つ医療機関がどこなのか、あらかじめ確認しておくべきだ。

図1 基礎疾患などがある人(妊婦以外)の場合の受診の流れ

妊婦の場合、発熱外来機能を持つ一般医療機関に

 妊婦については、産科医師は初診時や定期診察の際などに新型インフルエンザについて説明することが求められる(図2)。妊婦からみると、あらかじめ、かかりつけ医師と相談し、疑う症状が出た際に相談する医療機関を決めておくことが肝要だ。夜間などの発熱の場合についても、「あらかじめどのようにするかを決めておくことが望ましい」とされている。

 その上で、妊婦に症状を認めた場合は、妊婦から妊婦への感染を極力避けるため、原則としてかかりつけ産科医療機関を直接受診することは避け、発熱外来機能を有した一般医療機関に事前に電話をしてから受診することになる。

図2 妊婦の場合の受診の流れ

どこへいったらよいのか分からなければ、まず相談センターへ

 上記以外の一般の人の場合は、かかりつけ医の有無で流れが変わる(図3)。

 かかりつけ医がいる場合は、まずかかりつけ医に電話で問い合わせて受診時間等の指示に従うことになる。その医療機関での診療が困難であると判断された場合は、「発熱外来機能」を有する医療機関の紹介を受け、そちらを受診する。

 かかりつけ医がいない人は、受診すべき医療機関(発熱外来機能がある施設)が分かっている場合は、その施設を受診することになる。分からないときは、発熱相談センターに相談し、発熱外来機能がある施設を紹介してもらう段取りだ。

 夜間などの発熱の場合についても同様で、夜間でも受診できる発熱外来機能を持つ医療機関が分かっている場合は、その施設を受診することになる。分からないときは、まず発熱相談センターに相談することになる。

図3 一般の人の場合の受診の流れ