厚生労働省は7月2日、大阪府タミフル耐性を示すH275Y遺伝子変異を持つ新型インフルエンザウイルスが分離されたと発表した。タミフル耐性の遺伝子変異はデンマークで報告されているが、国内では初となる。

 発表によると、患者は、5月15日に発症し、5月17日に新型インフルエンザに感染していることが確定した患者の濃厚接触者だった。5月18日からタミフルの予防投与(10日間)を受けていたが、5月24日から微熱が出、5月28日に発熱相談センターに連絡後、翌29日に新型インフルエンザと診断された。同日から、リレンザによる治療を受け回復したという。

 この患者から採取された検体を大阪府公衆衛生研究所で検査したところ、6月18日にタミフル耐性を示すH275Yの遺伝子変異が確認された。なお、家族を含めた周囲への感染拡大は認められていない。また、5月15日に発症した患者のウイルス株についても検査したが、こちらは変異が見つからなかった。

 大阪府立公衆衛生研究所の解析によると、今回の遺伝子変異は、当該遺伝子に突然変異(point mutation)を生じたものであり、季節性インフルエンザ(A/H1N1、ソ連型) との交雑により生じたものではないとしている。

 今後、国立感染症研究所において薬剤感受性試験等が実施される予定。なお、厚労省は「タミフル耐性を示す遺伝子変異は、ウイルスの重篤度(病原性)には直接影響を及ぼすものではないとされる」との見解を示している。

 海外では、欧州疾病管理センター(ECDC)が6月30日、デンマークで、新型インフルエンザウイルスにタミフル耐性の遺伝子変異が認められたと発表した。患者は、海外渡航歴のある新型インフルエンザ患者の濃厚接触者で、タミフルの予防投与を受けていた。タミフル投与後5日目にインフルエンザ様症状が出たため検査を行ったところ、新型インフルエンザに感染したことが分かった。その後、薬剤耐性の状況を確認したところ、耐性の遺伝子変異が検出されたという。こちらのケースでも、周囲への感染が確認されていないことから、公衆衛生上の危険はないものと考えられている。

■厚労省のリリース
大阪府におけるオセルタミビル(商品名:タミフル)耐性を示す遺伝子変異が検出された新型インフルエンザウイルスについて