「パンデミックに挑む」編集が実施した「パンデミックワクチンの優先順位に関する調査(その2)」の最終結果によると、もっとも優先順位が高い集団は、「医学的ハイリスク者(感染すると重篤化の可能性がある疾患を持つ人)」で58.5%と最も多かった。前回の2月調査では、ハイリスク群と「小児」が、それぞれ45.8%と 42.4%で拮抗していた。実際に新型インフルエンザが発生し、医学的ハイリスク群に重症化する人が多いことが分かってきたことも影響した。今回は優先順位をハイリスク群>成人・若年者>小児>高齢者と回答した人の意見から、主なものを紹介したい。

(1)ハイリスク者は、インフル単独での死亡率が合併症などで高まるため。成人・若年者は、豚インフルで報道されているように、新型インフルは若年層が多いため。小児は若年層と同レベルとしてよい。高齢者は、高齢層には免疫があるのかも知れないと専門家が指摘しているが、感染率が若年層よりも格段に低いため。

(2)感染する割合が高い成人・若年者を2番目とし、続いて小児とした。

(3)先日のテレビでスペインインフルエンザを経験した100歳を超えたおじいさんが言っていた。お医者さんが最初にどんどん倒れてしまい、患者を診ることができず、治療する人がいなくて困ったと言っていたので、まず医療機関や患者を助ける人たちを確保し、一般生活に困らないシステムをまず確保すべきです。次に、各家庭での生活を考えると成人が生活活動をする上で大切な役割を果たすようになると思う。老人と小児は各家庭内で隔離されるようになると思うので、実際は同列だと思う。但し、実際にパンデミックが発生した場合は、明らかに症状が出ている人はどんな人であろうと治療を優先すべきと思うが、未発症の一般人はどのようなにしていればよいのか不安だ。近隣の人が発症したら自分たちはどう対応すればよいのか。家族の具合が1人でも悪くなったらみんなでどこの病院に行けばよいのか。いろいろと疑問は残るが、とにかく優先順位はあるにしろ、後回しにされた人達はどのくらいの時間・日数で処置してもらえ、どのような方法で大勢の人達にそれを行うのか、そして一般人にどのような順位をつけて行うかのほうが問題になると思う。どちらにしても予防処置を含め、全員が短時間のうちに対応できる方法(伝達方法も含め)を起きる前に検討し、訓練しておきたいものだ。

教師はセットで考えなければ意味がない

(4)メキシコの発表などでは、15歳から60歳くらいまでの成人・壮年の感染者・死者が多いとのこと。逆に、子どもや高齢者少ないとのこと。スペインインフルエンザのときもそうだったように、成人・壮年は子どもや高齢者よりも重症化する傾向が強い。高齢者は、今回、重症例がないようです。そのような点からも、優先順位は、1)医学的ハイリスク者、2)成人・壮年(50代くらいまで)、3)小児、4)高齢者が望ましい。学校が感染の源になりうるので、教師も優先職種にすべきです。子どもを優先するのであれば、教師も優先しなければ意味はありません。ワクチンが不足するのであれば、休校する方が効果的です。子どもだけ、ワクチンを打って登校しても、子どもよりもリスクの高い成人の教師が感染することになり、結果的に教員は感染、重症化等でいなくなり、自動的に休校になると思われます。子どもと教師はセットで考えなければ意味ありません。家にこもれるかどうかもポイントです。子どもは、休校で家にこもれますが、大人は生活がかかっており、仕事で、こもれない人がほとんどです。高齢者もこもれるでしょう。休校になっても、教師は、状況判断などの会議や子どもとの連絡などで、登校する必要があります。教師が感染すれば、生徒・学生(15歳以上)へうつす可能性が高いと思います。大勢の学生に接触しなければならない教師も、優先職種に加えるべきだと思います。


教師を優先順位の高い職種に加えるべき

(5)感染リスクの高い点からと、自宅にこもれるかの両方から考える必要があります。リスクの高い点から見ると、季節性インフルエンザとは異なり、子どもと高齢者は感染しても重症化しないようなので、優先順位は1)病人、2)15歳から50代くらいまでの成人、3)低年齢の子ども、4)高齢者の順序が妥当です。自宅にこもれるか、こもれないかでの優先順位は、1)生活があり優先職種でなくても仕事にいかざるをえない一般成人が、優先順位一番です。2)3)子どもも休校でこもればすみます。高齢者も同じ。2つの点から、1)病人、2)成人〜壮年、3)子ども、4)高齢者の順が望ましい。また、学校は感染の場であり、教師は、休校になっても、地震等の災害時を見てもわかるように、子どもや保護者への連絡業務等で、登校する必要があります。教師から子どもへの感染拡大を防ぐためにも、教師を優先順位の高い職種に加えるのが望ましいと思います。もし、子どもを優先した場合でも、学校という場を考えると、生徒(学生)と教師の両方を優先しなければ、意味はありません。

(6)感染した場合の重篤化の可能性が高い順に並べている。「成人・若年者」とひとくくりにされているが、15歳〜35歳の若年者はサイトカイン・ストームにより致死の危険性が高いため、医学的ハイリスク者に次ぐ優先順位で接種を行うべきである。小児や高齢者は、若年者と比べれば重篤化の可能性は相当に低い。

(7)医学的ハイリスク者が罹患して多くの人に感染させる可能性があると考えられるので、最も優先順位が高いと考えられる。他の3グループは、交通機関などで感染する可能性が高いこと、労働力として倒れられては困るのは誰かということを念頭において考えた。


疑問に思うのは、国会議員や地方議員、公務員

(8)優先順位の1番目は、医学的ハイリスク者は生命の危険があるため。2番目は、仕事やその他の役目や用事のために、積極的に社会に出ているため感染する機会が多く、また社会機能を維持するために重要な役割を担っている世代であるため。4番目は、感染機会を減らす(外出を減らす)ことが可能な世代のため。3番目は、他の順位が決まった結果。社会機能の維持のために先行接種するグループの中で、納得できるのは、明らかに直接感染者と接触する機会が多い、医療関係者やその周辺の人。疑問に思うのは、国会議員や地方議員、公務員。感染リスクは高くないので、マスクと手洗い・うがいで感染防止策をとるという、普通の自己防衛で問題ないのではないかと思います。公務員の仕事といっても、短期間なら停滞しても問題の無い仕事や業種は多いと思うので。そして社会機能の維持という視点からも、国会議員や地方議員などは議会期間中で無ければ社会機能に影響はないと思うので。

(9)医学的ハイリスク者は、比較的人数比率が少ないうえ、効果が確実に現れるから最優先。成人・若年者とあるが、今回の豚インフルエンザにかぎれば 高校生程度の年代の若年者がハイリスクなので2番目。成人が倒れると、残りの小児、高齢者はワクチンを接種しても生き延びられない可能性が高まるので、若年者の次が成人。小児と高齢者の優先順位は、難しいところです。


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