国立国際医療センター糖尿病情報センターは5月22日、新型インフルエンザに感染した場合、重症化するリスクの高いハイリスク群に含まれる「糖尿病患者」の対策について見解をまとめ公表した。

 対策については、「患者・一般向け情報」と「医療関係者向け情報」の2部構成で説明している。

 患者・一般向け情報では前提として、CDCの情報によると新型インフルエンザウイルスに感染した場合、重症化するリスクの高いハイリスク群は、現時点では季節性インフルエンザの場合と同様と考えられると指摘。その上で、ハイリスク群に含まれる糖尿病患者向けの注意点などをまとめた。

 まず、一般的注意として、「手洗いやうがいの励行、人混みへの外出を避けることやマスクの着用」などとった注意事項に従うことが肝心と解いた。

 また、糖尿病の人の場合は、常日頃から、血糖コントロールを良好に保つべく糖尿病治療を行うよう求め、さらに、予防接種を受けるなどの「十分なインフルエンザの予防対策をとること」が重要と指摘している。

 次に「シックデイ」も取り上げ注意を喚起した。インフルエンザに限らず、糖尿病の人は感染症にかかった場合、血糖値が通常より上昇することがある。特に、インスリン治療を受けている人の場合は、病気になって食事量が日頃より少なくなったからと「自己判断でインスリン注射をやめる」と「重篤な状態に陥る」こともありえるからだ。

 今回の新型インフルエンザとの関連では、糖尿病患者は「ウイルスや細菌に対する感染防御機構が破綻しやすいため、感染症にかかりやすく感染が悪化しやすい」と考えられることから、慢性肺疾患、心血管疾患、腎疾患、肝疾患、血液疾患、神経疾患、神経筋疾患などがある場合と同様に、インフルエンザのハイリスク群とされていると解説した。

 ただ、糖尿病があっても血糖コントロールが良好で、心血管疾患や腎疾患などの合併症や肺疾患、心血管疾患などがない場合は、リスクは比較的低いと考えられるとし、良好の場合は「糖尿病のない人と同様の対処、対応でよい」とした。

 逆に、HbA1cが高値で血糖コントロールがよくない人、あるいは合併症のある人や高齢の人の場合は、重症化する可能性があるため、「注意が必要」と訴えている。なお、糖尿病でありながら放置している人では、自身のリスクを見過ごしていると考えられることから「要注意」と警告した。

主治医に連絡を

 感染が疑われる症状が現れて場合は、新型インフルエンザを想定しての対応と前述のシックデイへの対応が必要となる。このため「早めに主治医に相談するように」と求めた。

 また、身近に新型インフルエンザに罹患した人がいる場合、あるいは発症した人と濃厚な接触があったと考えられる場合は、自分自身の症状に注意を払い、「変化があったと思われるとき」には早めに医療機関に相談し、抗インフルエンザ薬の投与を含めて、医師に検討してもらうよう要請した。

 なお、今回の見解で示した情報は、「今後、状況が変化したり、情報が追加されたりする可能性がある」とし、最新情報に留意することも求めている。

医療関係者向けに参考すべきリンク集

 医療関係者向けには、患者・一般向け情報に加え、表1に示したリンク集を提示し、参考にするよう求めている。同時に、最新情報に留意することも求めている。

■国立国際医療センター 糖尿病情報センターの見解
糖尿病のある方の新型インフルエンザ対策(患者・一般向け、医療関係者向け)