5月16日、日本でも新型インフルエンザの感染者が確認された。患者は海外渡航歴のない神戸市在住の日本人男性で、国内発生の第1例目となった。ほかに2人の疑い例も確認されており、神戸市や兵庫県は、感染状況の把握に務めている。

 神戸市の発表によると、患者は、神戸市在住の10代後半の男性で、海外渡航歴は確認されていない。5月11日に、悪寒を訴え、12日に37.4度の発熱があり、医師の診察を受けた。インフルエンザ簡易検査でA型陽性、B型陰性だった。15日に検査を行った結果、新型H1(陽性)となり、新型インフルエンザが否定できないことから厚生労働省新型インフルエンザ対策推進本部に連絡された。

 患者は、12日から抗インフルエンザウイルス薬(リレンザ)の投与を行い、15日時点では、咳の症状はあるものの体温は36度台に落ち着き、現在、中央市民病院に搬送し、病状はほぼ回復しているという。

 国内発生を受けて、新型インフルエンザ対策本部長(内閣総理大臣)の談話が発表された。それによると、今回の事例は「国内で確認された初の新型インフルエンザの感染」とし、今後の対策方針も示した。

 政府は今後、これまで取り組んできた水際対策に加え、患者の行動や濃厚接触者に対する調査を徹底し、その結果を踏まえて国内での感染拡大を防止するための措置を講じていく。

 談話では、「現時点においては、早期に適切な治療を受けることにより、多くの人が順調に回復されている」とした。一方で、「慢性疾患患者などにおいては重篤化するとの報告もあり、油断は禁物」と注意も促している。

 WHOが公表した「新型インフルエンザの重症度」によれば、心臓疾患や高血圧、喘息や糖尿病、関節リウマチなどの慢性疾患が重症化しやすいことが分かった。慢性疾患の程度や感染者の栄養状態も、重症度に影響する。また、妊婦も重症化のリスクとなっている。

 政府は国民に対して、国や地方自治体が発する情報を把握し、冷静な行動をとるよう呼びかけた。同時に、咳、発熱などのインフルエンザ様の症状がある人は、早めに近くの保健所等に設置されている「発熱相談センター」に連絡するよう求めた。また予防策として、「人ごみでのマスクの着用のほか、うがい、手洗いなどの咳エチケットの励行の徹底」が必要としている。