抗インフルエンザ薬、感染拡大期以降は予防投与を見合わせ

 抗インフルエンザ薬については、「国民の45%に相当する量を目標として備蓄を推進」するとある。2008年時点で、タミフル2800人分とリレンザ135万人分を備蓄済みだ(図3)。この段階で国民の23%相当であり、今後45%を目指してさらに備蓄が進める手はずだ。

図3 発生段階別でみた「抗インフルエンザ薬」(防衛医科大学校内科学講座2感染症教授の川名明彦氏の講演から)

 実際に使用する場面は、第2段階(国内発生早期)に訪れる。国内で発生した場合、その同居者、濃厚接触者、同じ職場にいる人、または医療従事者で十分な防御がないままに曝露した人に対して、抗インフルエンザ薬の予防投与が実施される。

 ただし、感染拡大期以降は、同居者以外の濃厚接触者への予防投与は「原則として見合わせる」となっている。患者が多数出てくる段階では、抗インフルエンザ薬の使用目的を「予防」から「治療」へ切り替える必要があるからだ。もちろん、医療従事者や水際対策関係者への予防投与は継続される。

ワクチン接種についてのガイドラインは検討中

 ワクチンについては、ガイドラインそのもののが検討中の段階にある。「ワクチン接種の基本的な考え方」や「先行的なワクチン接種の対象者とその接種順位」については、公表済み。今後、接種体制や費用負担などの面での検討を重ね、取りまとめる見込みだ。

 ワクチンについては、流行前ワクチン(H5N1型対応、プレパンデミックワクチン)の取扱いと、流行ワクチン(パンデミックワクチン)の接種順位が大きな課題として残っている(図4)。

図4 発生段階別でみた「ワクチン」(防衛医科大学校内科学講座2感染症教授の川名明彦氏の講演から)

■参考文献
1)Collins SD, Frost WH, Gover M, Sydenstricker E: Mortality from influenza and pneumonia in the 50 largest cities of the United States First Edition Washington: U.S. Government Printing Office 1930.
2)WHOからの提案、死者数を減らす“社会的隔離”は必須

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