パンデミックに挑む」編集が実施した「パンデミックワクチンの優先順位に関する調査」によると、もっとも優先順位が高い集団は、「医学的ハイリスク者(感染すると重篤化の可能性がある疾患を持つ人)」と「小児」が、それぞれ45.8%と42.4%で拮抗していた。この2つの集団で、どちらを優先すべきかについては、さらに議論を重ねる必要がありそうだ。

 国のガイドラインによると、新型インフルエンザが発生した場合、感染拡大を防ぐためにワクチン(流行時のワクチン;パンデミックワクチン)の接種を行うことになっている。ただし、パンデミックワクチンは、発生してからでないと作ることができず、また現状では、全国民に必要なワクチンを作るのに1年半はかかるとみられている。このため、「医学的ハイリスク者(感染すると重篤化の可能性がある疾患を持つ人)」「成人・若年者」「小児」「高齢者」の4集団にわけ、国民的な議論を経た上で、接種順位を決めていく方針だ。

 「パンデミックに挑む」編集では、メールマガジン「パンデミック・アラート」の読者約1000人、あるいはサイトの閲覧者を対象に、アンケート調査を実施。2月13日の開始から28日までに59人から回答があった。

 調査では、国のガイドラインを示した上で、「もっとも優先順位が高い」「2番目に高い」「3番目に高い」「もっとも優先順位が低い」の順番で、集団をひとつずつ選んでもらった。

図1 接種順位が高いのはどの集団か

  その結果、「もっとも優先順位が高い」集団として挙がったのは、「医学的ハイリスク者(感染すると重篤化の可能性がある疾患を持つ人)」が45.8%で最多だったが、「小児」も42.4%と僅差で、この2集団が拮抗していた(図1)。「成人・若年者」は11.9%、「高齢者」は0%だった。

 「2番目に高い」集団では、「小児」が45.8%で最多だった。「成人・若年者」は37.3%、「医学的ハイリスク者」は13.6%、「高齢者」は3.4%だった。

 「3番目に高い」集団では、「成人・若年者」が39.0%で最多となり、「医学的ハイリスク者」が27.1%、「高齢者」が23.7%で続いた。

 「もっとも優先順位が低い」集団では、「高齢者」が72.9%と突出していた。

 2月17日に行った中間集計では、優先順位の高い順に、「医学的ハイリスク者」「小児」「成人・若年者」「高齢者」という順番になっていた。

 その後、2度にわたって順位についての意見を掲載し、アンケートへの協力を呼びかけたが、最終結果では1位から3位の順位で、各集団が獲得した支持率には分散する傾向が見られた。唯一、「もっとも優先順位が低い」集団だけが、「高齢者」の割合が72%となり、意見が集約する傾向にあった。

 まだ議論は始まったばかりであり、意見が割れるのはむしろ議論の深まりの表れとみていいのではないだろうか。


■お知らせ
 パンデミックワクチンの優先順位についてのアンケートは、一応終了しましたが、この結果について、皆様のご意見をお寄せください。お待ちしております。

 アンケート画面は以下です。
https://aida.nikkeibp.co.jp/Q/C0064396G.html