愛知県豊橋市の採卵用うずら飼養農場で2月末に発生した鳥インフルエンザは、弱毒タイプH7N6亜型ウイルスによるものだったことが分かっているが、農林水産省は3月2日、移動制限区域内の家きん農家を対象とした検査の結果、新たに1戸で陽性例が確認されたとし、この農場の周囲半径5km内での家きん等の移動自粛を要請したと発表した。

 2月25日に鳥インフルエンザの発生を確認して以降、愛知県は、2月28日と3月1日に、発生農場周辺5km以内の家きん農家24戸を対象に検査を実施していた。その結果、1戸においてPCR検査で陽性例が確認された。

 このため、愛知県は、農場の周囲半径5km内での家きんや病原体付着のおそれのある物品の移動自粛を要請した。

 これまでの経緯は、以下の通り。

 2月25日、愛知県から農林水産省に対し、「死亡率上昇などの臨床症状は認めないものの、定期モニタリングの抗体検査の結果、陽性の事例があったと連絡が入った。同日、農林水産省は、該当する農場に移動の自粛を要請した。 

 2月26日。農場の飼養うずらからA型インフルエンザウイルスと思われるウイルスが分離されたため、農研機構動物衛生研究所でウイルスの同定を行ったところ、H7亜型のA型インフルエンザであることが確認された。

 このため、発生が確認された農場において、飼養家きんの殺処分、農場の消毒、農場の周辺農場における移動制限(半径10Km以内に65戸、約406万羽)などの防疫措置が行われた。なお、のちに弱毒タイプであることが判明し、愛知県は移動制限区域を10kmから5kmに変更した。このため、半径5Km以内の23戸、約202万羽が移動制限の対象となっていた。

 H7N6亜型の鳥インフルエンザウイルスは弱毒タイプであり、日本では、この病気にかかった鶏などが徹底的に処分される一方、通常の生活で病気の鳥と接触したり、フンを吸い込む機会はほとんどないことから、人がこの鳥インフルエンザに感染する可能性はきわめて低いと考えられている。また、家きんの卵や肉を食べることにより、鳥インフルエンザウイルスが人に感染することは世界的にも報告されていない。