タミフル投与例で、解熱時間の延長傾向が強まっていることが分かった。日本臨床内科医会インフルエンザ研究班(班長;河合直樹氏)が取り組んでいるインターネットを利用したリアルタイム集計により明らかになったもので、同研究班顧問(原土井病院臨床研究部長)の池松秀之氏は、 「タミフル耐性化と言われるアミノ酸変異の影響が考えられる」と指摘している。

 2月5日現在の集計(速報値)によると、迅速診断でA型と判定された症例のうち、タミフル投与群は84例、リレンザ投与群は69例あった。年齢はそれぞれ21.6歳と22.0歳だった。

 抗インフルエンザ薬の初回内服から解熱までの時間(解熱時間)をみると、タミフル投与群が42.4時間、リレンザ投与群が31.3時間となり、タミフル投与群で延長傾向がみられた(表1)。

表1 初回内服から解熱までの時間(解熱時間)の変化

 昨シーズンの成績と比較すると、タミフル投与群は32.2時間から42.4時間へ10時間以上の延長が確認された。リレンザ投与群は32.1時間から31.3時間へとほとんど変化はなかった。

 これを、タミフル耐性化が問題となっているAソ連型(A/H1N1)に限ってみると、タミフル投与群(19例、23.7歳)では、解熱時間が45.6時間となり、昨シーズンの31.0時間から14時間以上の延長となっていた。

 さらに、解熱時間が48時間を超える症例の比率を調べたところ、タミフル投与群では27.4%(n=84例)となり、昨シーズンの11.4%(n=308例)から16ポイントも増加していた(表2)。一方、リレンザ投与群は12.6%(n=135例)から10.1%(n=69例)へ減少していた。

 タミフル投与群については、Aソ連型とA香港型(A/H3N2)別に解析しているが、それによると、Aソ連型では15.2%(n=33例)から36.8%(n=19例)へと増加がより顕著だった。

表2 解熱時間が48時間を超える症例の比率