米疾病センターCDC)は19日、今冬、米国で流行しているAソ連型H1N1)はタミフル耐性株が主流であるとし、医師向けに緊急情報を発した。同時に、耐性ウイルスの流行を踏まえた抗インフルエンザ薬の治療指針も提示した。

 CDCによると、この冬に米国で流行しているA/H1N1において、10月1日以降で12州から報告のあった50株のうち49株がオセルタミビル(商品名;タミフル)耐性だった。耐性率は98%と高率だった。この耐性ウイルスがどの程度広がるのかは不明だが、今後の動向に注意が必要だ。

 幸い、ザナミビル(商品名;リレンザ)やアマンタジン(商品名;シンメトレルなど)は感受性があった。また、同時に流行しているA/H3N2やB型においては、タミフル感受性が確認されている。

 これらの結果を踏まえ、CDCは抗インフルエンザ薬の治療指針(表1)を提示した。迅速診断別に使用薬剤を推奨している点が特徴となっている。

表1 CDCが示した抗インフルエンザ薬の治療指針

迅速診断、他の検査の結果流行の主流となっている亜型推奨される抗インフルエンザ薬代替薬
未実施あるいは陰性。しかし、インフルエンザ臨床症状はありH1N1あるいは不明ザナミビルオセルタミビル+リマンタジン*
未実施あるいは陰性。しかし、インフルエンザ臨床症状はありH3N2 あるいは Bオセルタミビルあるいはザナミビルなし
A型陽性H1N1あるいは不明ザナミビルオセルタミビル+リマンタジン*
A型陽性H3N2 あるいは Bオセルタミビルあるいはザナミビルなし
B型陽性すべてオセルタミビルあるいはザナミビルなし
A型とB型が陽性H1N1あるいは不明ザナミビルオセルタミビル+リマンタジン*
A型とB型が陽性H3N2 あるいは Bオセルタミビルあるいはザナミビルなし

*アマンタジンはリマンタジンの代用となりうる。ただし、有害事象の危険を高めうる。ヒトのデータでは、エビデンスが十分ではない。しかし、これらの代替薬は、オセルタミビル耐性A型(H1N1) ウイルスの感染患者の治療を支援する(編集部注:リマンタジンは日本では発売されていない)。
**陽性A+Bは、A型とB型の両者を区別し得ないことを示す。



 CDCに先行する形で、「2008/2009年シーズンの抗インフルエンザ薬治療指針(私案)」を取りまとめた日本臨床内科医会インフルエンザ研究班長の河合直樹氏は、「日臨内の指針(私案)は日本国内の事情を勘案して作成したもの。CDCの指針と併用することで、さらに理解を深めてもらいたい」とコメントしている。

(三和 護=日経メディカル別冊)

■参考情報
1)CDC HEALTH ADVISORY
CDC Issues Interim Recommendations for the Use of Influenza Antiviral Medications in the Setting of Oseltamivir Resistance among Circulating Influenza A (H1N1) Viruses, 2008-09 Influenza Season
2)2008/2009年シーズンの抗インフルエンザ薬治療指針(私案)