新型インフルエンザ対策として独自の取り組みを進める東京都は、年内にも抗インフルエンザ薬400万人分の備蓄を完了する見通しだ。タミフル耐性ウイルスの出現に備え、リスク分散を図るためにリレンザを200万人分、タミフルを200万人分とする。最終的には、都の人口の6割分を目指している。

 すでに9月補正予算案に、備蓄分も含めた新型インフルエンザ対策費として88億円を計上、10月6日の本会議で成立する運びだ。

 今回の補正の柱は、(1)新型インフルエンザ対策会議の設置、都民や事業者らへの啓発、(2)医療体制の整備、連携体制の構築、(3)抗インフルエンザ薬の備蓄拡大、(4)検査体制の強化、基礎研究の推進など。

 都では、人口の集中を考慮して都民の約30%が罹患すると想定、患者数は約380万人と推定している。備蓄する抗インフルエンザ薬は、患者の発病後にできるだけ早い段階で投与する早期治療薬として活用するだけでなく、患者と接する医療従事者あるいは社会機能維持者への予防投与に使う。

 タミフルだけでなくリレンザも採用するのは、「耐性ウイルス出現の危険性など、一種類の薬に依存しすぎることのリスクを避けるため」(感染症対策課長の大井洋氏)。また、吸入薬であるリレンザに短時間での効果が期待できる点なども考慮した。

 国を先導する形で都が動き出したことは、他の自治体への“刺激”にもなりそうだ。

(三和護=日経メディカル別冊)