【国際福祉機器展2011】スマートフォンやタブレット端末を利用したケア記録ソリューションが多数出展

 東京ビッグサイトで開催された国際福祉機器展で、モバイル端末を活用したケア記録ソリューションを各社が出展した。スマートフォン市場が急速に拡大したことと、iPadに代表されるタブレット端末が注目されるようになったことを受けてのことだ。従来も、携帯情報端末(PDA)を入力デバイスとしたケア記録システムは多数あったが、出展した各社はそのほとんどをスマートフォンやタブレット端末対応に移行させている。
 

日立システムズの施設介護記録システム「EasyCare」

 日立システムズは、PDAや専用タッチパネルを利用する施設介護記録システムの新製品「EasyCare」を出展した。従来システムは、クライアント側でもシステムを利用できる環境の構築が必要だったが、新製品はWebベースのシステムに移行。各社のスマートフォンとタブレット端末で利用できる。

 インタフェース画面も大幅にリニューアル。例えば、管理項目を「介護」と「医務」に分離し、バイタルデータ記録・管理を医務項目に移すなど工夫した。介護記録やケース記録の入力、入居者情報の参照、グループ単位での当日実施したケア状況チェックなどができる。また、スタッフ間で、連絡情報や日誌内容の共有機能もある。タブレット端末用は2012年1月、スマートフォン用は同3月のリリースを予定している。

 NDソフトウェアは、「ほのぼのNEXT」のケア統合記録システムの入力デバイスとしてiPhone/iPod touchを利用するソリューションを展示した。バイタル、食事、水分、入浴など、ケア記録やケース記録を入力できる。「ケース記録の入力で、よく使う文章内容をあらかじめ登録して取り込むことが可能で、文章入力が容易。施設内でWiFiを利用するケースが多いことを前提に、回線契約が不要なiPod touchを推奨している」(NDソフトウェア営業部販売推進室室長の佐藤健比古氏)という。なお、専用アプリケーションはiTunes Storeから無料でダウンロードできる。
 

エムウィンソフトの「すこやかサン ケアタッチ」

 介護支援システム「すこやかサン」を販売するエムウィンソフトは、国際福祉機器展2011に合わせてiPadでケア記録を行う「ケアタッチ」を発売した。同システムの特徴は、施設によって異なるケア記録業務に対応するために、施設で利用するユーザー自身が容易に記録内容構成を設定できること。「ケア記録業務のシステム化は内容が固定しがちだが、施設ユーザーが自分たちの業務に即した記録項目を構成できるように、容易に作り替えられる」(エムウィンソフト ライフケア事業部営業開発部営業チームリーダー 田崎直行氏)。

 また、文字入力を極力避け、数値データも簡単に入力できるよう工夫されている。例えば、頻繁に使う文言を登録・呼び出しできるほか、バイタルデータも前回値や標準値を呼出し、「+」「-」ボタンで数値を変更できるインタフェース画面を採用している。

ビーシステムの「ファーストケア・ポータブル」

 「ファーストケア」シリーズを販売するビーシステムは、ケア記録モバイルオプションの「ファーストケア・ポータブル」を出展。iPad版とiPod/iPod touch版があり、バイタル、食事、入浴、排せつといった個別ケア記録を入力して、ファーストケア本体に送信する。iPad版の新バージョンでは、指定した期間内のバイタル値の変化をグラフで参照できる「タイムシート」(仮称)が新たに追加された。その他、写真による記録やデイサービスでの機能訓練実施状況などの記録機能も順次追加していく。

富士データシステムのiPad版「ちょうじゅ」

 介護記録管理システム「ちょうじゅ」を提供する富士データシステムは、今年1月に発売したiPhone、iPad対応版をデモするとともに、11月に予定している大幅リニューアルの内容を紹介した。「1月にリリースしたバージョンでは、従来のPDAを利用した記録システムのある部分をiPhone/iPadに実装したが、新バージョンでは記録項目を大幅に拡大する。また、導入ユーザーの要望を反映して、画面の見やすさ、入力のしやすさの改良に取り組んでいる」(富士データシステム営業部次長 松下由雄氏)という。

 富士通は、サーバーベース型の「HOPE/WINCARE-ES」と、そのシンクライアントとしてタブレットPCを参考出展した。ブルーオーシャンシステムは、先進的なWindowsテクノロジーを利用した「Blue Ocean note」を、Windows PhoneやWindows版スレート端末で記録・参照するソリューションをデモ。ワイズマンはロジック社の「ケアウィング」と連携するICカードと、スマートフォンを利用した訪問介護向けのソリューションを参考出展した(こちらの記事を参照)。

(増田 克善=日経メディカルオンライン/デジタルヘルスOnline委嘱ライター )

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