【国際福祉機器展2011】最新技術を活用した介護業務支援システムが一堂に

 東京ビッグサイトで開催された国際福祉機器展では、様々な最新技術を盛り込んだ介護支援システムが多数展示された。

 ワイズマンは、ICカードとスマートフォンを利用した、訪問介護向けのソリューションなどを参考出展した。同ソリューションは、ロジック社の「ケアウィング」と連携するもの。ヘルパーがICタグリーダー付きスマートフォンで認証用ICカードを読み取ると、当日の訪問予定と介護内容がダウンロードされるもの。利用者宅に配布されたICカードを読み込むと、当日の作業内容チェックや実施記録の送信ができるもの。施設に構築したWeb型システムからヘルパーの介護状況がリアルタイムで確認でき、実施内容は連携する予定の訪問介護システムに転送される。「訪問計画の伝達を効率化し、帰所後のシステムへの入力作業をなくすことができるため、ヘルパーの直行・直帰が可能になる」(ワイズマン販売促進課の鎌田勝裕氏)という。

ワイズマンの展示ブース

 支援ソリューションでは、昨年末に発売したリニューアルシステムの「ワイズマンシステムSP」をはじめ、災害対策としても威力を発揮した「ワイズマンASPサービス」を中心に展示・デモした。

 NDソフトウェアは、今年6月に実質的に販売開始した「ほのぼの」シリーズの最新版「ほのぼのNEXT」を大々的にアピールした。新バージョンは、「操作性・連携性・利便性・安心感」のそれぞれにフィットすることをテーマとした“マルチフィット”をコンセプトに開発。ユーザーの使い方に合わせる、必要な情報を取り扱う、などを目的に、システムを容易に組み合わせて利用できるなど、ユーザーの自由度を高めて使いやすさを強化した」(NDソフトウェア営業部販売推進室室長 佐藤健比古氏)という。従来は各システムが独立しており、作業時にはそれぞれのシステムを起動しなければならなかった。

 また新バージョンは、全システムのデータ管理を1本化したため、システムごとの切り替え操作が不要になり、複数事業所をまとめて管理できるようになった。また、職員ごとに個人設定を可能にしたほか、職員間の申し送りや連絡事務を目的に、起動画面に掲示板を設けて情報伝達・共有機能を強化した。

 富士通は、介護事業者支援システム「HOPE/WINCARE-ES」の展示・デモと、同システムと連携する「携帯ヘルパーシステム」、タブレット端末での利用を想定したWebベース版のWINCAREシリーズを参考出展した。また、訪問看護記録を記入する際に、記載事項をデジタル化してデジタルペンに格納し、帰所後にWINCARE-ESにデータ転送するソリューションも参考出展した。

 携帯ヘルパーシステムは、ヘルパーの携帯やスマートフォンに訪問予定メールを送信する機能を持つ。介護実績の記録もデータ送信できるので、PCでデータ入力することなくWINCARE-ESで会計データを生成することが可能。「ヘルパーの効率的な動きが可能になり、移動にかかわるコストやムダを削減できる。訪問予定の30分前に確認メールを送信するほか、利用者との会話に役立てられるような話題をメール内に配信するサービスも提供する」(富士通ヘルスケア事業本部ヘルスケアソリューション統括部 鈴木聡氏)。

 日立システムズの展示・デモで注目されたのは、12月にサービスを開始する「介護ASP」だ。同社は、日立情報システムズと日立サービスの合併に伴い、介護・福祉事業者向け業務管理システム「福祉の森FUTURE」等を引き継いだ。介護ASPのサービス提供の背景を福祉営業部部長代理 望月創史氏は、「小規模事業者にとって、構築型(インハウス型)のシステムはコスト面での負担が大きいため、導入を見送るケースが多い。そうした事業者などに、当社のこれまでの介護・福祉向けシステム資産をASPで提供する。ただ、小規模事業者に直接営業活動をかけるとコスト高につながるため、当社の『MINONARUKI』(実のなる樹)というクラウドサービスを提供しているWebサイト(ショップ)を通じて提供する」という。

 販売は、医療用医薬品卸業を主業務にしているスズケンが独占的に行う。サービス利用料は、ASP基本接続ライセンス(月額2200円×システム利用ユーザー数)と各システムの月額利用料で構成される(初期登録・追加登録サービス費用が必要)。最低利用期間による契約の縛りを設けていない点が、大きな特徴だ。

ブルーオーシャンシステムはクラウド型システムを展示

 ブルーオーシャンシステム(本社静岡市)の「Blue Ocean」は、先進的なテクノロジーを活用したクラウド型ケア記録システム。同社は、福祉・医療業界の記録業務に特化したソリューションを提供するために、2010年3月に創業した。「質の高い介護には、利用者の日常生活を詳細に記録し、それを業務に反映させることが根底にある。いかに簡単に記録でき、素早く必要な情報だけを選んで参照できるかがポイント。直感的なインタフェースや一貫した操作性などに工夫をこらし、利用者の状態に合わせた記録様式で記録・管理する項目を、柔軟に変更できるケア記録にこだわっている」(ブルーオーシャンシステム専務取締役 寺岡正人氏)。

 利用者の生活と必要なケアを視覚化した「24時間シート」、入力された記録から重要事項を集める引継ぎ表の自動作成機能、利用者の写真や動画の添付機能など、従来のケア記録と一線を画した機能を実装している。状態に合わせた記録様式を採用できるように、クラウド上のテンプレートをダウンロードして柔軟に活用できる点も特徴である。

 同社は「Blue Ocean」の開発で、マイクロソフトがパートナー企業を表彰する「マイクロソフト・パートナー・オブ・ザ・イヤー 2011」のパブリック部門アワードを受賞した。マイクロソフトのクラウドプラットフォーム(PaaS)である「Windows Azure」と、Webブラウザでリッチな表現を可能にする「Microsoft Silverlight」というアプリケーション開発フレームワークを利用して、システムを開発している。Windows PCはもちろん、Windows PhoneやWindows版スレート端末などで利用できる。また、クラウドシステムは大手ITベンダーの堅牢なデータセンターに構築され、利用者データのセキュリティも確保している。

(増田 克善=日経メディカルオンライン/デジタルヘルスOnline委嘱ライター)

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