【ホスピタルショウ】iPhone/iPadを利用した遠隔画像診断治療補助システム、FileMaker Goなど解説

遠隔画像診断治療補助システム「i-Stroke」を紹介する東京慈恵会医科大病院の高尾洋之氏

 2011年7月13〜15日に東京ビッグサイトで開催された「国際モダンホスピタルショウ2011」では、タブレット端末やスマートフォンを利用したソリューションが多数紹介されていた。展示場内のステージで行われた出展者プレゼンテーションセミナーでも、臨床現場での活用例や同デバイス対応ソフトウエアなどの紹介に、来場者の多くが聞き入った。

 東京慈恵会医科大学 脳神経外科学講座助教の高尾洋之氏は、富士フイルムと共同開発したiPhoneやiPadを利用した遠隔画像診断治療補助システム「i-Stroke」(アイストローク)を紹介、今後の応用について解説した。

 高尾氏は、「脳卒中では治療を開始するまでの時間、適切な治療法の選択と治療チームの連携による迅速な対応が不可欠」だと、脳血管障害における迅速な治療の必要性を指摘した。脳梗塞治療として、3時間以内に治療を開始するt-PAを用いた血栓溶解療法、8時間以内に治療を行う血栓除去デバイス用いた機械的血栓除去術について言及。開発したi-strokeには、iPhoneを利用した画像診断機能と血栓溶解療法などの治療支援機能を持たせたと語る。

 i-strokeの主な機能として高尾氏は、登録されている専門医や医療チームのiPhoneに一斉連絡ができる「ストロークコール機能」、救急患者の検査や治療を時系列で把握できる「タイムライン表示」、ストロークコールを受けた複数の専門医が画像所見や治療法などに関してリアルタイムに意見交換できる「tweet機能」、CT画像を立体化する3D画像作成機能、t-PA治療の際の薬剤投与量の算出や禁忌項目の確認ができる治療補助機能、手術室の映像を院外でもリアルタイムに見られる手術映像のストリーミング機能などを解説した。

 研修医などが患者に対応した場合、運動障害や麻痺の状態などの神経学的検査を実施する際に、その映像を撮影して専門医にリアルタイムに伝送してアドバイスを得られる「i-Catch機能」、さらに脳卒中患者を連携先病院に転送せざるを得ない場合に利用する機能として、i-Strokeを導入した病院や診療所間で医療連携を実現する「i-Hospital機能」なども紹介した。i-Strokeは、今年度中には、Android搭載のスマートフォンでも利用できるようになる予定だという。

ファイルメーカーの荒地暁氏は、FileMakerで作成したファイルをFileMaker Go for iPhone/iPadで利用する方法を解説した

 また高尾氏はiPhoneやスマートフォンを利用した医療連携ソリューションとして、大学病院などの基幹病院、地域の中核病院、診療所間で医療情報を共有する「M-Cloud」構想も披露した。高尾氏は、東日本大震災で被災した医療機関が紙カルテの喪失や電子カルテシステムが利用不能になったケースが多かったことに触れ、「病名、画像などの検査情報、処方情報の3つだけでも、大学病院や中核病院に構築した医療プライベートクラウドに蓄積して、スマートフォンなどから利用できる環境を作れば、被災者への治療や投薬がムダなく迅速に実施できる」と解説した。


 ファイルメーカーは、FileMaker ProやFileMaker ServerのファイルをiPhoneやiPadで利用するためのFileMaker Goの基本的な使い方についてセミナーを実施した。デスクトップのFileMakerで作成したデータベースをiPad/iPhoneで利用する方法として、デバイスをデスクトップに接続しiTunesを使用してファイルを転送する、ファイルがホストされているFileMaker Serverなどにリモートアクセスで接続して利用する、ファイルをメールに添付して転送して利用する、といったそれぞれの方法を、デモをしながら解説した。

 また、医療用バーコード認証システム『認証くんPro』(イエスウィキャン)、ICカードによる医療情報の入力自動化システム(キー・プランニング)など、ファイルメーカーのブースで共同出展したFileMaker Business Alliance(FBA)メンバー8社の医療ソリューションを簡単に紹介した。

(増田 克善=日経メディカルオンライン/デジタルヘルスOnline委嘱ライター)

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