番号制度には早急な対応が必要−−都道府県CIOフォーラム 第8回 春季会合 ディスカッション2より

 行政サービスの利便性向上や効率化を進めるには、各行政機関が保持する情報を互いにやり取りできるバックオフィス連携が欠かせない。その突破口となるのが、住民情報の連携を可能にする番号制度だ。2日目は、政府が急ピッチで整備を進めている番号制度とそれを支えるシステム、自治体業務への影響などについて議論した。

●「国民IDコード」を導入し社会保障・税番号などにひも付け

井上 知義氏 内閣官房 IT担当室参事官

 まず、国民ID制度について、高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT戦略本部)の事務局でもある内閣官房情報通信技術(IT)担当室の井上知義参事官が、検討の経緯や仕組みを説明した。

 国民ID制度は、情報保有機関同士の情報を連携させて、行政手続きのワンストップサービス化や、プッシュ型の情報提供などを実現することで、国民負担の軽減や行政の抜本的な効率化を図ることを目的としている。「複数の窓口での手続きを1回で済ませられる、給付金などの新情報が対象者にメールで送られてくるなどのサービスが現実になる」(井上氏)。

 これを効率的に実現するには、行政機関の間で個人を識別する番号を用いた情報連携が必要になる。その連携を実施するために、新たに導入されるのが「国民IDコード」。社会保障や税、健康保険証、住民票コードなど様々な番号を互いに対応付けるために新設する専用番号で、「情報連携基盤」と呼ぶ行政システムの中だけで使う。

篠原 俊博氏 内閣官房 社会保障改革担当室参事官

 当初は国家戦略室で「社会保障・税に関わる番号制度」の検討が進んでいたが、今後は国民IDと一体的に整備し、情報連携基盤、個人情報保護の仕組みなどを共通化。2013 年中に国民ID制度の法令整備を完了させる計画だ。

 「個人情報保護と情報連携基盤技術に関するワーキンググループをそれぞれ立ち上げて、IT担当室と社会保障改革担当室が協力して進めていく」(井上氏)。

 続いて、内閣官房社会保障改革担当室の篠原俊博参事官が、国民IDコードに最初にひも付けされる社会保障・税に関わる番号制度について説明した。この番号は、年金、医療、福祉、介護、労働保険の各社会保障分野と、国税・地方税の各税務分野で利用される。

今野 順氏 宮城県 総務局情報システム総括監

 2011年1月に「社会保障・税に関わる番号制度についての基本方針」を策定済みで、3〜4月に「社会保障・税番号要綱(仮称)」、6月に「社会保障・税番号大綱(仮称)」をとりまとめ、秋には番号法(仮称)案と関係法令の改正法案を国会に提出する。「3年後の2014年1月には番号利用の適正性を監視・監督する第三者機関を設置し、6月に全国民に番号付きのICカードを配布したい。翌15年1月から税務分野のうち可能な範囲で利用を開始し、以後段階的に利用範囲を拡大していく」と篠原氏は説明する。

 国から地方自治体への要望として、「2015年稼働まで時間がない。基本的な行政システムの改修、ワンストップの実現のための業務改革、個人情報保護条例の見直しを進めてほしい」(篠原氏)と、都道府県の対応の重要性を訴えた。

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