【国際福祉機器展2010】各社が介護・福祉業務支援システムの次期バージョンを出展

3日間で約12万人の来場者で賑わった国際福祉機器展2010

 高齢者や障害者向け福祉機器の展示会「第37回 国際社会福祉機器展(H.C.R 2010)」が、9月29日〜10月1日の3日間東京ビッグサイトで開催された。国内外492社、2万点に上る福祉機器が展示され、3日間で11万9451人(主催者発表)の来場者を集めた。

 介護用日常生活用品をはじめ、車いす用福祉車両、バリアフリー建築・住宅設備など幅広い福祉機器・設備が展示された中で、介護・福祉事業者向け業務支援システムも出展。トップベンダーによる業務支援システム新バージョンのデモンストレーションや、iPhoneなど新たな携帯端末を用いたケア記録入力システムが注目を集めた。

●トップベンダー各社が介護業務支援システムの最新版を出展

 ワイズマンは、約20種類ある施設系、居宅系、支援系サービス向け福祉システムをリニューアルした「ワイズマンSP(Smart Progress)システム」を大々的に展示・デモした。同システムは、「Simple(ムダのない操作性の追求)、Speed(レスポンスの向上)、Satisfaction(ユーザー満足度の追求)の3つの観点から全面改良したもので、見やすい画面、操作性の統一などで使い勝手をさらに向上させた」(ワイズマン 福祉営業部販売促進課課長 星野裕一氏)という。

 また、同社はシステムリニューアルを機に販売体系を全面的に見直し、ソフトウェアのパッケージ販売から月額課金方式に変更する。毎月のランニングコストは、システム価格(事業所単位での利用システム数によるライセンス料)とクライアント基本料で構成。月単位契約(最低契約期間1年)と5年契約の2形態を用意し、導入ユーザーの与信状況に応じて選択できるようにした。「ワイズマンSP(Smart Progress)システム」シリーズは、今秋から順次リリースされる。
 

ワイズマンは、今秋から順次リリースされる「ワイズマンSPシステム」を大々的に展示・デモした。

 1992年から福祉業務支援ソフト「ほのぼの」シリーズを販売してきたエヌ・デーソフトウェアは、同シリーズ介護保険対応版の第3世代目となる「ほのぼのNEXT」を、2011年3月下旬のリリースに先駆けて紹介した。「次世代バージョンのコンセプトキーワードは、“マルチフィット”。小規模から大規模までの多くの事業者にフィットする製品であること、介護・福祉関連施設の多様化するニーズに対して常にフィットするシステムを提供することにノウハウを注いだもの」(エヌ・デーソフトウェア 東京支店首都圏営業所所長 迫田武志氏)という。

 多彩な記録管理や自治体独自フォーム対応などの利便性や操作性の向上に加えて、「グループウェア機能を搭載して、掲示板による職員同士の情報共有や人員配置の管理機能、職員のTo Do機能などで業務効率の向上を狙っている」(迫田氏)システムだと紹介した。

 富士通が出展したHOPE/WINCARE-ESは、今年5月にリリースされた最新版で、WINCAREシリーズの3代目となる。快適な操作性の追求が大きな特徴。メニュー切り替えの簡便化やマルチウインドウによる複数業務の操作を可能にしたことに加えて、操作の際の利用者選択の簡便化、業務や利用者を軸とした業務切り替えが可能になったことによる利用者検索操作の大幅削減など、操作性が向上した。また、事業者が提供する各種サービスの記録情報を横断的に参照・共有できる統合ビューアを搭載し、サービスをまたいで横断的に利用者の健康状態やケア内容などの状態推移を時系列で把握できるようになった。
 

●現場でのケア記録業務に利用する入力デバイスが多様化

 今回の展示会では、iPhoneをはじめとするスマートフォンなど、携帯端末の活用を試みる展示があちこちで見られた。その中でも現場の介護スタッフによるケア業務記録を支援するツールに各社が注力するとともに、その入力デバイスとして各種スマートフォンやiPadなど最新の携帯端末を活用しようという動きが目立った。

 介護・福祉事業者向け業務管理システム「福祉の森」シリーズを提供する日立情報システムズが展示・デモしたのは、5月にリリースされた施設介護記録システム。同システムでは、無線LAN内蔵PDA(携帯情報端末)と壁掛けタイプのタッチパネルを入力デバイスとして使用する。「介護記録作業では、ユーザーインターフェースが最大のポイント。バイタルや食事記録など、どの項目も入力画面に共通性を持たせ、1つ覚えれば年配者の方でも十分に使いこなせるよう工夫されている」(日立情報システムズ 福祉営業部部長代理 望月創史氏)と特徴を説明する。同社では、今後、各社スマートフォンへの対応を進める予定で、iPad対応版の試作も開始したという。

 介護記録管理システム「ちょうじゅ」を提供する富士データシステムも、2011年1月にリリース予定のiPhone、iPad対応版を強力にアピールした。同社は、これまでもシャープのザウルスやポケットPCなどのPDAを入力デバイスとして活用してきたが、ペンタッチ入力から指入力できるデバイスに切り替えることで、記録作業の効率化や可能性を探っていく。また、同社では入力デバイスの多様化に伴って、インターネット通信機能を利用して介護記録システムのデータセンターサービスも開始する。

 最近の福祉業務支援システムは、介護記録のための機能を搭載している製品がほとんどだが、介護の現場では端末の設置環境や介護業務の多忙性を理由に、紙と手書きによる記録・管理に留まっている事業所が多い。たとえシステムで管理していても、事務スタッフが手書きされた情報を残業してデスクトップPCで入力しているケースが非常に多い。ケア記録の活用によりサービスの質向上を目指している企業ユーザーは多く、その場で簡単に記録できる入力環境に対する関心は高いようだ。

(増田克善=日経メディカルオンライン委嘱ライター)

ページの先頭へ戻る

関連記事

Information PR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 向精神薬になったデパス、処方はどうする? トレンド◎ベンゾジアゼピン系薬の安易な処方に警鐘 FBシェア数:1279
  2. 男性医師は何歳で結婚すべきか、ゆるく考えた 独身外科医のこじらせ恋愛論 FBシェア数:178
  3. JTに異例の反論を出した国がんが抱く危機感 Cadetto通信 FBシェア数:121
  4. 開業4年目の私が医院経営の勉強会を作ったわけ 診療所マネジメント実践記 FBシェア数:45
  5. インフルエンザの早い流行で浮かぶ5つの懸念 リポート◎AH3先行、低年齢でAH1pdmも、外来での重症化… FBシェア数:232
  6. 国主導で『抗菌薬適正使用の手引き』作成へ 政府の薬剤耐性対策アクションプランが始動 FBシェア数:19
  7. 真面目ちゃんが燃え尽きるとき 研修医のための人生ライフ向上塾! FBシェア数:0
  8. 味方ゼロ? 誰にも言えない病院経営の修羅場 裴 英洙の「今のままでいいんですか?」 FBシェア数:193
  9. 医師にも多い? 過敏性腸症候群(IBS)型便秘 田中由佳里の「ハラワタの診かた」 FBシェア数:344
  10. 輸液の入門書 医学書ソムリエ FBシェア数:0