RSNA2007で発表の320列MDCTが世界累計50台を突破

東芝メディカルシステムズがRSNA2007で発表したMDCT最上位機種Aquillion One300

 東芝メディカルシステムズが2007年11月に米国シカゴで開催された第93回北米放射線学会で発表し、大きな注目を集めた320列マルチスライスCT「Aquillion One」の販売が順調のようだ。標準的な納入価格が4億5000万円というハイエンド装置ながら、今年11月末現在で国内では14台が稼働中、全世界では、設置台数ベースで52台、メーカー出荷済み台数は71台に達した。

 Aquillion Oneは0.5mmピッチの320列検出器を備えたマルチスライスCT(MDCT)で、体軸方向の16cm幅を1回転のスキャンで撮影できる。1回のスキャンに要する時間は0.35秒と高速で、心臓全体を同じ1拍動以内でとらえることが可能だ。

 心臓、脳、膵臓などの臓器全体を架台の移動なしに撮影できるので、患者の身体のぶれに影響されにくく、鮮明な画像を得ることができる。肺は部分撮影となるが、息止めが不要になるだけでなく、呼吸による肺内部の動態を観察可能となる。差分CTアンギオと呼ばれる手法により、頭部領域の血流の動態観察も実現した。また、撮影時間の短縮に伴い、ヘリカルスキャンによる撮影に比べ、被曝量も大幅に減らすことができる。

 興味深いのは、患者にゆっくり関節を動かしてもらうことで、膝などの大関節を3次元で動態観察できることだ。整形外科領域でも新たな臨床応用を開く可能性が注目される。

 国内で本機が稼働しているのは、藤田保健衛生大学、神戸大学、天理よろづ相談所病院、四日市社会保険病院、静岡県立静岡がんセンターなどの計14施設。藤田保健衛生大学、国立がんセンター、米ジョンス・ホプキンス大学は、試作機の提供を受け、開発に携わった。

 医用画像機器は世界的な不況や医療費削減の影響を受け、厳しい価格競争にさらされるのが通例だが、「幸い、高い注目を集めており、国内外のトップクラスの研究・医療機関が先を争って導入している状況」(東芝メディカルシステムズ)という。
(中沢 真也=日経メディカル別冊)


【12/2更新】
11月末現在の最新の台数情報を反映しました。

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