【ホスピタルショウ】西口・橋本市民病院副院長に聞く

電子カルテの基本的仕様は共通化を図るべき

 7月11日から13日、今年で34回目を迎えた「国際モダンホスピタルショウ」が東京ビッグサイト(東京・有明)東展示棟4・5・6ホールを使用して、『健康増進で築く豊かな医療と福祉 − 新しい地域ケアの姿をめざして』をテーマに開催された。開催初日の7月11日、東展示棟5・6ホールに設けられた「医療情報システムゾーン」を取材した。




 6ホール側の入り口から入ると、大きな小間を割いて機器展示・プレゼンを行っているNECブースがある。そのプレゼンテーション・ステージの前で、当日午後のカンファレンスで「電子カルテ導入の負担の軽減と医療の質向上のためのシステム活用」と題した講演を行う、橋本市民病院(和歌山県橋本市)の副院長で医療情報システム管理者である西口孝氏の姿を見かけ、早速インタビューした。

西口孝氏は「電子カルテは、病院運営における共通基盤として必須なもの」という

西口孝氏は「電子カルテは、病院運営における共通基盤として必須なもの」という

 同病院は2004年11月の移転を機に、NECの中〜大規模病院向け電子カルテソリューション「MegaOak-BS」を導入してオーダリングシステムと電子カルテシステムを効率的に実現し、フルオーダーリング、ペーパーレス、フィルムレスの環境を整えた。そのIT導入手法が高く評価され、日経コンピュータ誌主催の「IT Japan Award 2007」の準グランプリを受賞。IT Japan Awardは、ITを活用して経営革新や業務改革、新規事業の創出などで顕著な成果を上げた企業・団体・個人を表彰するもので、準グランプリを受賞した同病院のIT化の取り組みには高い関心が集まっている。しかも先頃、NECの最新電子カルテシステム「MegaOakHR」へのバージョンアップに踏み切り、より効率的な医療現場と経営環境を実現しようとしている。

 西口氏はインタビューに対して、「電子カルテは、病院運営における共通基盤として必須なもの。業務の標準化やコスト削減、医療の質向上には欠かせない。(IT Japan Awardの)準グランプリの受賞については、素直に感激している。病院間における地方と中央の格差が拡大しているが、今回我々が取り上げられたことで、頑張っている地方の医療関係者の励みになるのではないか」と開口一番にこう語った。

 NECの「MegaOakHR」の開発には同病院の意見や要望も反映されているという。「ベンダーのSEと対等に話せるように、医療情報技師の資格を職員にも取得させ、トランスレーターとして橋渡しをしてもらった」という。

 医療機関全般へのIT普及に関しては、ITベンダーのみならず、国の政策にも注文を付ける。「もっと現場に即したものを提供してほしい。電子カルテの基本的仕様は、共通化を図っていくべきだ。韓国では、国が規格の標準化などを主導している。日本はベンダーごとにバラバラ。院内でも足並みが揃っていないところが多い。国にも強いリーダーシップを求めたい。運用面でも、今日の病院の業務に即していない部分も出てきている。医療ITを使いやすくするためには法改正も含めて議論が必要だと思う」と述べた。(インタビュー:柏崎 吉一)

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