「医療機器の法律を作って欲しい」JIRA会長が年頭所感で表明

JIRA会長の加藤久豊氏

 社団法人日本画像医療システム工業会(JIRA)の年頭所感記者会見と新年会が、1月10日東京都内のホテルで開催された。JIRA会長の加藤久豊氏(富士フイルムメディカル取締役会長)は、記者関係の冒頭で「昨年は、震災などもあって日本の問題があぶり出された年。歴史の潮目が変わったと感じている。新しい発想で新しいシステムを創造しなければならない」と発言。現在はまだ“小さな芽”だが、2012年に成長すると同氏が考える、医療機器分野の「4つの萌芽」について語った。
 
 1つ目は新しい産業の創出。加藤氏は経済産業省の「ヘルスケア産業プラットフォーム構想」について、高く評価していると述べた。「診療報酬の“外側”に新たな分野を産業化する、医療機関が中心となって事業展開する、という点に注目している」(加藤氏)。JIRAでも、ハードウエアのみにこだわらず、医療ITやソフトウエアも視野に入れた「JIRA産業ビジョン」を制作すると述べた。

 2つ目は医療機器産業のグローバル化。医療機器規制の国際整合化を進める国際会議であるGHTF(Global Harmonization Task Force)が今年末で終了するのを受けて、新たにDITTA(Global Diagnostic Imaging,Healthcare IT and Radiation Therapy Trade Association)という医療機器関連の国際的団体を組織する計画。JIRAのほかに米国の画像医療システム関連の産業団体NEMA-MITA、欧州のCOCIRなどが参画する予定だ。「3極でコラボレーションを進めるほか、行政府への働きかけを実施する」(加藤氏)。なお、現存するDITTA(国際画像診断治療機器業界会議、International Congress of Diagnostic Imaging and Therapy Systems Trade Association)は、新団体のベースとなる。

 加藤氏の発言に最も力がこもったのが、3つ目の医療機器の規制改革動向。「医療機器は薬事法で規制されているが、体内に入れる薬と医療機器は別のものと考えている。早く医療機器の法律を作って欲しい」と主張した。また、「昨年、医療ITがやっと市民権を得たと考えている。医療ITも含めて医療機器に適した規制や安心安全対策、低リスク機器に関する自己立証・自己責任型の品質システムの導入を望む」と付け加えた。
 
 4つ目は、震災復興での医療の重要性が再認識されたこと。クラウド型電子カルテサービスの普及や、自動車や船、飛行機など移動体への医療機能搭載などを、進めるべき施策の具体例として紹介。「医療システムのバックアップ体制として、国による医療情報の管理・保管を進めて欲しい」と語り、JIRAで提言している国立臨床知分析・解析センター(仮称)について説明した。

 最後に加藤氏は、JIRAの2012年の重点活動方針として次の6項目を挙げた。

(1) 新産業の創出
(2) 産業拡大のための積極的な施策提言と推進
(3) 国際化する事業への対応強化
(4) 企業振興の強化
(5) JIRA活動の基盤強化
(6) コンプライアンスのさらなる徹底


(本間 康裕=デジタルヘルスOnline/医療とIT)

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