岩手県が医療情報連携や遠隔医療で総合特区の指定を申請

保健・医療・福祉のニューモデル構築目指す

 岩手県は、9月30日、「いわて情報連携クラウド遠隔医療総合特区」の指定申請書を、内閣府の地域活性化統合事務局に提出した。(1)地域特性を踏まえた保健・医療の地域モデルづくりとそれらの広域連携、(2)電子化された医療情報連携や遠隔医療を実施する上での現行制度の様々な課題を、解決するための特例措置の提案とその効果の検証――を主な目的としている。



 同日に盛岡市内で開かれた、第4回岩手県復興に向けた医療分野専門家会議の席上、県が明らかにした。岩手県全域を総合特区とし、岩手県と岩手医科大学、慶応義塾大学を中心に、(1)では岩手県医師会や岩手県歯科医師会、(2)では県内の自治体や東京の心臓病専門病院などを事業主体として想定している。



 具体的な事業内容は表1の通り。今年から地域モデルづくりの試行をスタートさせ、2013年には事業内容の充実と対象地域の拡大を図り、2014年に全体の総括を行う計画だ。



 昨年秋の内閣府のアイデア募集に際し、岩手医大および遠野市・慶応大学がそれぞれ提案していた医療関係の二つの総合特区のプランを、東日本大震災を踏まえて修正した上で一本化し、このほど指定申請に踏み切った。岩手医大学長の小川彰氏は、専門家会議の席上、「民間企業の支援も受けながら、岩手発の過疎地・被災地の医療モデルづくりを目指したい。この10月から、一部地域で試験的に取り組みを始める」と意欲を見せた。



 なお、内閣府地域活性化統合事務局は、「12月中旬をめどに内容の評価を行い、年内に指定の可否について結論を出す」としている。



表1 いわて情報連携クラウド・遠隔医療総合特区の主な事業内容
(1)保健・医療に関する「地域モデル」の構築 遠隔医療を中心とする医療「地域モデル」の構築(震災後の地域特性に応じたモデル構築など)
大学病院を起点とする遠隔医療システムの導入(仮設診療所への遠隔診療支援など)
特例措置の提案を含む遠隔医療の安全性、妥当性、効果の検証
遠隔医療の人材育成と研究拠点の構築(岩手医科大学への教育課程の設置など)
仮設住宅などの施設での遠隔医療相談事業の実施
(2)電子化された医療情報と遠隔システムを活用した医療実施についての制度整備と効果の実証 電子化された医療情報の連携にかかわる現行制度上の課題について、解決に向けた特例措置を提案し、その効果を実証する
注)具体的には、遠隔診療などの適用範囲や実施方法の基準についてのガイドラインおよび、医療機関、自治体、民間事業者などがネットワークを共同利用する場合の、電子化された医療情報サービスの指針の策定


(井上 俊明=デジタルヘルスOnline)

デジタルヘルスOnlineより転載
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