遠隔画像診断治療補助システム 「i-Stroke」発売、慈恵医大と富士フイルムが共同開発

 富士フイルムは6月16日、遠隔画像診断治療補助システム「i-Stroke(アイストローク)」の販売を開始した(販売窓口は富士フイルムメディカル)。iPhoneなどのスマートフォンを利用して脳卒中の救急医療をサポートするシステムで、東京慈恵会医科大学(以下、慈恵医大)脳神経外科学講座教授の村山雄一氏、同助教の高尾洋之氏らと共同開発した。

i-Strokeの機能を説明する慈恵医大教授の村山雄一氏

 脳卒中患者は、救急搬送される重症患者の約3割を占める。脳卒中の発症時には、受け入れ先の病院で3時間以内に迅速で適切な処置ができるかが、患者の生死や予後を大きく左右する。発症から搬送、治療開始までの時間短縮が大きな意味を持つが、経験豊富な専門医が24時間体制で勤務し、適切な治療を実施できる病院は全国でも少ない。

 「i-Stroke」は、院外にいる専門医のスマートフォンに患者の検査画像や診療情報を送信するだけでなく、必要な情報をやりとりするコミュニケーションを可能にし、診断や治療をサポートする。専門医が院内にいない場合でも、専門医に実際の患者の画像などを見てもらったうえで、治療に必要な処置に関する指示やアドバイスを仰ぐことができる。

左から、富士フイルム取締役執行役員 玉井光一氏、慈恵医大教授の村山雄一氏、富士フイルムメディカル社長 平井治郎氏、慈恵医大の高尾洋之氏

 主な機能は、登録されている専門医のスマートフォンに一斉連絡ができる「ストロークコール機能」、検査画像や専門医のコメントを時間の経過に沿って見られる「タイムライン表示」、薬剤投与量の算出や禁忌項目の確認ができる「治療補助機能」、CTなどの医用画像を見やすく表示する「3D画像作成機能」、動画をリアルタイムで見られる「ストリーミング機能」などだ。i-Strokeを導入した病院や診療所間で医療連携を実現するi-Hospital機能もある。

検査結果や治療方針に対してコメントできるツイート機能も備える

 慈恵医大の村山氏は「現在、慈恵医大付属病院本院で20人、付属第三病院で10人、大森赤十字病院で3人がシステムを利用している。個人的には米国や豪州など広い医療圏を抱える海外諸国でも、i-Strokeに対する需要があると考えている」と説明した。

 システムの導入価格は1000万〜5000万円。富士フイルムは、日本にある脳神経外科関連の救急拠点3200カ所のうち、5年間で30%程度の施設へ導入を目指すとしている。また、現在対応しているのはiPhone、iPadのみだが、秋にはAndroid端末に対応する予定である。

(本間 康裕=医療とIT/デジタルヘルスOnline


※慈恵医大でのi-Stroke実証実験の事例記事はこちらです。

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