富士通がクラウドベースで医療情報流通の実証実験、ペット分野でスタート

 富士通は、東京城南 地域獣医療推進協会(以下、TRVA)と共同で、クラウドコンピューティング技術を活用した「ペット医療」に関する実証実験を5月12日に開始したと発表した。ペットの診療情報を地域で共有・活用するのが目的。富士通のクラウドサービスである「オンデマンド仮想システムサービス」をベースに、地域内の動物病院とTRVAが結びつくことで、昼間診療・夜間診療・二次診療を連携させた「仮想的な総合病院」の実現を図る。

 TRVAは、今年2月世田谷区内の同じ建物内1階に「動物2次診療センター」、2階に「夜間救急動物医療センター」を開設した。前者は心エコーなどの検査機器を揃え神経外科や整形外科の診療ができる施設で、後者は夜間に体調を崩した動物の救急診療を行うための施設である。今回の実証実験は、ここを拠点として協会員41病院の協力を得て実施する。

具体的には、夜間救急動物医療センターと動物2次診療センターで得られたペットの検査結果や診療記録、処置記録などの診療情報を、富士通のソリューションを活用して管理・運用する。診療情報の入力・管理・共有が可能になるSaaS型獣医版電子カルテ「どうぶつ診療支援サービス」と、診療情報を関係者間でセキュアに共有できるPaaS型「セキュア情報共有基盤サービス」を、IaaS型「オンデマンド仮想システムサービス」上で提供する形となる。

 TRVA理事の小林元郎氏は「現段階では、各病院からの情報をクラウド上で管理しないので片方向となるが、将来は各病院でも導入してもらい、相互に双方向で診療情報をやり取りできるようにしたい。まずはセンターに導入して、実際に利用した協会員にメリットを実感して欲しいと考えている」と将来像について語った。

 富士通クラウドビジネスサポート本部 本部長の岡田昭広氏は、「最終的には、クラウド上に蓄積されたペットの診療情報を集計・分析することで、動物病院が必要とする疾病分析や予防分析、流行症状分析などの情報を提供したい。ただし、そこまで到達するには、データの蓄積などに数年はかかると考えている。獣医同士や飼い主との情報交換を推進するSNS的サービスやペット用品のネット販売など、医療以外のソリューションも追加していきたい」と事業参入の目的について説明した。
 
(本間 康裕=医療とIT/デジタルヘルスオンライン 企画編集)
 

実証実験の概要図

 

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