【CEATEC】コンティニュア・ヘルス・アライアンス加盟企業が共同出展、さまざまなサービスへの展開を披露

 コンティニュア・ヘルス・アライアンス日本地域委員会(代表企業:インテル)は、幕張メッセ(千葉市)で開催された「CEATEC JAPAN 2010」の企画展示「デジタルヘルス・プラザ」に出展。一般的な健康管理、女性の健康管理、高齢者介護と看護、フィットネスなどをテーマに参加企業による多彩なサービスを紹介した。

●高齢者介護・看護を通したシニアサポートサービスでコンティニュアを活用
 

ワイズマンはコンティニュア対応体重計、血圧計から同社の福祉・介護システムに測定データをインポートするWebアプリケーションをデモした

 2009年2月にコンティニュア設計ガイドライン第1版が発表され、対応デバイスが徐々に発売されてきたが、今年に入って同規格を利用したサービスが急速に立ち上がりつつある。企画展示ブース「デジタルヘルス・プラザ」では、シニアサポートやコミュニティー・ヘルスケアなどのコーナーがあり、参加企業各社は多彩なサービスを展示・紹介した。シニアサポートのコーナーでは、福祉・介護事業者向けソリューションを提供するワイズマン、健診関連システムを開発・販売するタック、NECなどが展示・デモした。

 ワイズマンは、居宅介護系サービス事業者向けや施設系サービス事業者向けの各種業務支援・管理システムをASPで提供する「ワイズマンASPサービス」を出展。同サービスの特徴は、すでに同社のシステムを導入・運用している事業者にとって、操作環境が全く変わらずにデータセンターで運用するシステムに移行できるため、混乱なく最新のシステムに切り替えることができること。ハードウエアインフラ導入に伴うイニシャルコストの削減、データのバックアップやバージョンアップなどの運用管理負担がないことから、同社の主力サービスになっているという。

 また、同サービスのコンティニュア対応は、バイタルデータをヘルスケア向けタブレットPCなどのWebアプリケーションに取り込み、各種福祉・介護業務支援システムの温度板に表示させるデモを実施した。「現時点ではコンティニュア対応の準備が整ったという段階。ユーザーニーズを見据えながらシステム対応を進めていく」(ワイズマン福祉営業部販売促進課課長 星野裕一氏)という。

 タックは、コンティニュア対応したリハビリテーション支援システムの展示・デモを行った。特徴は、スケジュール管理画面での操作だけで一元管理が可能なこと。理学療法士のスケジュール、患者のスケジュールを時間単位で視覚的に確認できるのに加えて、スケジュールの登録、調整、実施入力ができる充実したスケジュール機能を持っているという。Webアプリケーションであるため、部門外のリハビリテーション支援システムがインストールされていないPCからでも、リハビリカルテの閲覧や実施計画書の登録・閲覧などが可能である。

 また、電子カルテシステムと連携した患者登録およびリハビリ・各種処方オーダー、医事会計システムと連携した実施・会計データ送信ができる。「もともとは病院のリハビリ業務支援での活用を想定したものだが、福祉・介護事業者向けシステムのリハビリ機能は請求にからむ事項の管理が中心。こちらは、スケジュールを中心にした計画・実施管理を行いたい事業者のニーズに応えられる」(タック ヘルスケア事業本部PKGソリューション事業部リハビリPKG開発チームマネージャー 衣斐大祐氏)。リハビリを実施する前に患者・利用者のバイタル測定を行い、その日のプログラムができるかどうか判断するが、「コンティニュア対応によって、測定やシステムの温度板機能へのデータ登録の省力化実現を期待している」(衣斐氏)という。
 

大日本印刷の服薬管理パッケージ。タイムスタンプ機能で服用日時が記録される。データはコンティニュア対応スキャナーで読み取り、PCなどで管理。患者の服薬コンプライアンス管理等に利用できる

 シニアサポートコーナーと体験コーナーに展示され、人気を博していたのが、NECが参考出品したコミュニケーション小型ロボット「PaPeRo」(パペロ)とコンティニュア対応血圧計を連携したシステムだ。PaPeRoの前に座ると利用者の存在を検知し、血圧の測定手順を声と身振りで説明してくれる。コンティニュア対応血圧計で測定したデータは自動的にPaPeRoに取り込まれ、LAN経由でインターネット上のサービスに転送される。血圧の数値に応じてサービス上に用意されたコメントがPaPeRoにフィードバックされ、利用者に健康管理のアドバイスを声で伝えてくれる仕組みだ。PaPeRoとコンティニュア対応血圧計や体重計などと組み合わせて集会場などに設置・利用することで、高齢者の健康管理促進などに活用できる。

 同コーナーには、大日本印刷がタイムスタンプ機能を利用した投薬管理パッケージ(包装)を参考出品した。同パッケージは、患者が服用のためにPTP包装された薬を取り出した時点で、日時がパッケージに内蔵されているカードに記録される。そのデータをPCなどに接続したスキャナで読み取って管理することにより、患者の服薬コンプライアンスを管理できる。また、パッケージには投薬時に服薬日時の設定できるため、患者が服用を忘れたときにアラームで警告することもできる。データを読み取る際にコンティニュア対応スキャナを利用することによって、服用直前の患者の血圧データなどを同時に記録することが可能になる。大日本印刷では、高血圧症患者の降圧剤服薬と血圧数値の変化をモニタリングすることで、患者ごとの服薬による効果を観察するなど、同パッケージの活用方法を探っている。

●ヘルスケアのためのコミュニティーでコンティニュアの可能性を示す
 

V-CUBEのコンティニュア対応Web会議サービスは、地域医療支援として遠隔医療・健康相談などでの活用が見込める

 一方、コミュニティー・コンティニュアヘルスのコーナーでは、Web会議システムや子供の健康管理・生活記録プログラムとコンティニュア対応機器を連携したサービスの展示があった。

 ビジュアルコミュニケーションツールの企画・開発を行うブイキューブ(V-CUBE)は、コンティニュア対応のWeb会議システムによる遠隔診断・健康相談ソリューションを展示・デモした。同社のWeb会議のASPサービス「V-CUBEミーティング」のインタフェース内に、コンティニュア対応血圧計で測定したデータを自動で表示させ、インターネットを介して健康相談が行える。アドビシステムズのFlash技術を使っているため、特別のソフトウエアをインストールする必要はなく、PCのOSも選ばないのが特徴。テレビ会議・Web会議システムを遠隔医療のツールとして利用しようという動きが各地で見られるが、コンティニュア対応デバイスを利用することにより、簡単にバイタルデータをリアルタイムに共有しながらコミュニケーションできるため、より適切な健康相談を受けられるようになる。

 「地域医療支援を目的に、Web会議システムを活用するというニーズは高い。訪問看護の際に看護師が介在しながらWiMAX通信等で接続して診断支援に役立てるほか、将来は誰でも操作できる専用端末を集会場などに設置して遠隔健康相談を行うなど、さまざまな活用シーンが期待できる」(ブイキューブ ソリューション本部GEMグループアソシエイト・コンサルティング 登山俊景氏)という。

 PHRやパーソナルライフログのアプリケーションサービスを企画・開発するビオスピクシスは、園児向け健康管理・生活記録プログラム「Kids Life Log」(2010年12月発売開始予定)を出展した。子供の健康記録(身長・体重・体温・不調内容など)、食事記録、生活記録(睡眠・遊び・入浴等)を簡単なユーザーインタフェースで日々記録し、見やすいタイムライン表示でチェックしながら、体調不良の傾向や予兆、食生活との因果関係など健康への気付きを引き出そうというもの。コンティニュア対応デバイスを利用することにより、毎日の体重や歩数等を自動的に取り込め、タイムライン上に記録・表示することができる。

 同社ではエー・アンド・デイのコンティニュア対応体重計、オムロンヘルスケアの歩数計、個人認証用非接触ICカードなどを使い、9月下旬から約1カ月間、千葉県船橋市の健伸学院で実証実験を実施している。「幼稚園・保育園を通じて園児保護者の方々にサービスを提供していく予定。将来的には、記録項目を充実させて母子手帳以降の子供たちの健康記録・管理サービスに育てていきたい」(ビオスピクシス アカウントプランナー 高畑麻理子氏)という。

 コンティニュア・ヘルス・アライアンス日本地域委員会委員長の田上伸介氏(インテル事業開発本部デジタルヘルス事業部事業開発部長)は、デジタルヘルス・プラザで数多くのサービス展示が行われたことを踏まえ、次のように述べた。

 「エンドユーザーの視点に立つと、健康管理デバイスとIT機器がつながること以上に、つながった先でどのように利活用できるのかが重要。具体的なサービスを見せることによって、そのメリットや可能性がよりわかりやすくなる。そういう意味で、今回のイベントで多くのサービスの出展にこぎ着けたことは、今後の展開の大きな弾みになると思っている。サービスが拡大すれば、対応デバイスも自ずと増えてくるだろう。これから2011年にかけて、業態に関係なく、新たなサービスを創出してビジネスモデルとしてきちんと訴求できるプレイヤーを発掘していきたい」

(増田克善=日経メディカルオンライン委嘱ライター)

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