NEC、小規模病院向け電子カルテシステムをSaaS型で提供

 NECは5月10日、電子カルテシステムをネットワーク経由でサービス提供するSaaS型の「MegaOakSR for SaaS」を発表した。診療情報を日本国内のデータセンター内で管理し、電子カルテ、オーダリング、看護システムという主要な機能をネットワーク経由で提供するもの。主な対象は100床以下の小規模病院で、2010年7月に販売を開始し、12月からサービス提供を開始する。NECは、2013年度までに500機関への導入を目指している。

 「MegaOakSR for SaaS」の特長は、カルテ2号紙を中心とした「診療機能」、処方・注射・検査オーダなどの「オーダ機能」、入院患者の経過表や看護計画・指示実施管理などの「病棟機能」など、小規模病院向けの電子カルテ、オーダリング、看護支援機能を、病院独自のシステムを構築しなくても、ネットを通じてサービスとして利用できる。NECの試算によると、実際にシステムを導入・運用する場合と比較して、5年間で最大30%のシステム導入・運用コスト低減が可能という。

 加えて、今年3月31日の厚生労働省による通知『保健医療情報分野の標準規格として認めるべき規格について』(医政発0331第1号)に基づいた医療情報の標準化に、SaaS型電子カルテシステムとしては国内で初めて対応した。具体的には、標準コード(医薬品HOTコードマスター、ICD10対応標準病名マスター)を採用し、患者診療情報提供書と電子診療データ提供書にも対応した。

 さらに、地域医療連携が容易にできるように、同社が提供する地域医療連携ネットワークサービス「ID-Link」に簡単に接続できる機能を保持している。「ID-Link」は、連携する医療機関の診療情報について患者番号(患者ID)をキーに統合して共有するサービスで、従来は各医療機関に診療情報公開用のゲートウェイサーバを設置する必要があった。「MegaOakSR for SaaS」ではそうしたサーバの設置は不要となり、地域医療連携ネットワークサービスに低コストかつ迅速に加入できるようになる。

 SaaS型で電子カルテシステムを利用する形態が可能になった背景には、本年2月1日に厚生労働省から『「診療録等の保存を行う場所について」の一部改正について』(医政発0201第2号/保発0201第1号)の通知がある。この結果、医療機関が患者の診療データを民間のデータセンターに保管できるようになった。同通達では、「電気通信回線を通じて外部保存を行う場合にあっては、保存に係るホストコンピュータ、サーバ等の情報処理機器が医療法第1条の5第1項に規定する病院又は同条第2項に規定する診療所その他これに準ずるものとして医療法人等が適切に管理する場所、行政機関等が開設したデータセンター等、及び医療機関等が民間事業者等との契約に基づいて 確保した安全な場所に置かれるものであること」と明記されている。

(増田克善=日経メディカルオンライン委嘱ライター)

MegaOakSR for SaaSの利用イメージ(NECの発表資料より)

    
   

MegaOakSR for SaaSで提供する機能(NECの発表資料より)

  
 

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