IBM、3次元分身技術を利用する5年後の医療IT像を提示

 米IBMはこのほど、3次元の分身(3Dアバター)技術を使って、医師が患者情報を総合的に扱える医療ITの将来像を公表した。これは、IBMが今後5年間に生活のあり方を一変させる可能性をもつイノベーション5つを「IBM Next 5 in 5」として発表した中の1つ。2006年末に第1弾を発表しており、今年の年末が第2弾となる。同社の新技術発表ではなく、技術動向予測である。


 新たな診療情報システム上では、患者の病歴や通院記録、検査データ、処方記録、画像などを、より視覚的な手順でアクセスできるようになる。例えば、マウスで患者の3D アバターの心臓付近をクリックすると、関連するカルテや心電図、検査データなどが即座に表示され、書類を探し回る手間から解放される。臨床医の関心領域に応じて検索する範囲を“ズームイン”すれば、検索期間や範囲を絞った検索ができる。


 また、多数の症例データベースの中から心臓の画像や音響情報を検索して比較し、類似の症例を探し出すことも可能になる。


 マルチスライスCTなどの画像診断技術の進歩に伴って、医療情報が劇的に増大している現在、医療情報の適切な管理は不可欠になっている。患者の3次元像をデータベース検索の手段として用いることなどで、患者を直接診察するのと同様のアプローチで、医師が高度な医療情報を容易に利用できるようになるという。


 IBMはこの3Dアバター診察技術のほか、以下の4つを今回のイノベーションとして示している。


・自分の家のCO2排出量を外出先でも管理できるスマートエネルギー技術。
・自動車同士、あるいは自動車と交通網を通信で接続することで交通渋滞を緩和する新交通システム。
・より高度な食品追跡技術の提供。食材を作るために消費されたエネルギー量や、農薬・化学肥料の曝露状況、輸送中のコンテナ内の気温などを消費者が購入時に知ることができるようになる。
・携帯電話で提供されている情報提供サービスがグローバルに利用可能になる。


(中沢 真也)

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