JA東京健康管理センター:コンティニュア規格対応の総合健診システム導入

自動血圧計と健診システムの相互接続・運用を実現し機器連携コスト削減

コンティニュア対応血圧計

 こうした検査機器との連携に関する課題を解消できるのが、LANPEX evolutionで対応したコンティニュア規格である。パーソナル・ヘルスケアの質的向上をめざして、さまざまな医療機器や健康管理サービスの連携を通じて人々の健康管理を支援するNPO法人「コンティニュア・ヘルス・アライアンス」(日本地域委員会代表企業:インテル株式会社)が提唱する、健康機器の相互接続や運用を可能にする標準規格だ。

 JA東京健康管理センターでは、システム刷新に合わせて老朽化した血圧計のリプレースを検討していたところ、エー・アンド・デイの自動血圧計「バイタルノート TM-2580」がコンティニュア規格に対応したため、LANPEX evolutionと同時に導入した。
 
 受診者がバイタルノートで血圧を測定(1受診者2回測定)すると、血圧・脈拍データは、無線通信(Bluetooth)で1回測定ごとにノートPC経由で自動的にLANPEXに転送され、LANPEXで2回測定した平均値を出す仕組みである。「測定データの転送方式がベンダー固有の規格でなく、標準規格であることによる信頼性の高さと、インタフェースの開発コスト削減が期待できるため、導入に踏み切りました」(板谷氏)。
 

健診データがBluetoothでノートPCに無線送信される

 また板谷氏は「実際に運用してみると、従来のように検査機器とPCがケーブルをつなぐ必要がないため、機器レイアウトの制約が少なくなったことも大きなメリットだと実感しています」とも指摘する。

 検査機器とPCがケーブルで接続されていると、検査機器やPCのレイアウトは固定化せざるを得ないため、受診者の導線をスムーズにできないだけでなく、健診室のスペースの有効利用が難しい。ケーブル自体が、受診者やスタッフの移動や作業を阻害しかねない。電源コードなどどうしても必要なもの以外は、極力ケーブルをなくしたいという板谷氏は、コンティニュアによってレイアウトの自由度だけでなく、検査プロセスの自由度も向上し、業務の利便性を追求しやすくなるのではないかと指摘する。
 
 

●各種検査機器へのコンティニュア対応の拡大に期待
 

血圧計にはコンティニュア規格のロゴが

 今回は業務用検査機器でコンティニュアに対応しているのが血圧計だけであったため、インタフェース開発コストの削減はシステムの初期導入コストと比べて微々たるものにとどまった。だが今後、対応検査機器が拡大することによって、ユーザーにかかる開発費の削減幅は大きくなると考えられる。

 「現在は検査機器ごとにノートPCを接続していますが、身長・体重、血圧、体脂肪計など受診者が連続して測定できる環境ならば、各検査機器のデータ転送先を1台のノートPCに集約することも可能。ノートPC台数の削減によるコスト圧縮も可能でしょう」(板谷氏)。また、コンティニュア規格準拠の検査機器であれば、機種変更や追加購入の際、インタフェース開発・動作確認などの作業が必要ないので、簡単な設定ですぐに運用を稼動できるというメリットもある。

「LANPEX evolution」の健診進行状況確認画面

 コンティニュア・ヘルス・アライアンスは、そもそもパーソナル・ヘルスケアを対象にしているため、健康機器やサービスの対応はパーソナル・ユースが先行しており、規格準拠している業務用検査機器はまだ少ない。しかし健診施設ユーザーにとっては、健診で使う各種検査機器がコンティニュアに準拠することで生じる、システムコスト削減などのメリットは大きい。板谷氏は「リプレースを検討しているスパイロメーターをはじめ、業務用の身長・体重、体脂肪、視力検査、聴力検査などの機器へのコンティニュア対応が進展すれば、対応製品を確実に導入していきます」と強調する。

 一方、健診システムベンダーとしても、「HL7など医療システム間情報交換の規約は標準化が進んできましたが、MEデバイスとの相互通信・相互運用はほとんどできていないのが現状。その意味でも、コンティニュア規格には期待を寄せています。導入実績を積み重ねることによって、他のMEベンダーの規格対応機運を高めていきたいと思います」(加藤氏)と述べる。

(増田 克善=日経メディカルオンライン委嘱ライター)
 


 

■施設概要
名称:JA東京健康管理センター(JA東京厚生連)
住所:東京都立川市柴崎町3-6-10
発足:1981年
事業内容:健診(ドック、成人・一般健診、婦人検診、巡回健診)、外来診療(内科・婦人科)、健康活動教育
Webサイト:http://kouseiren.jatokyo.or.jp/
導入システム:総合健診システム「LANPEX evolution」(エム・オー・エム・テクノロジー)、自動血圧計(エー・アンド・デイ)、コンティニュア・ヘルス・アライアンス規格対応機器

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