5年ぶりの改訂となった「高血圧治療ガイドライン2009」(JSH2009ガイドライン)が公表されたのは2009年1月。その11カ月後に、高血圧治療ガイドライン2009を「よく利用している」と回答した医師は49.7%で、「いつも利用している」の5.6%を合わせると、55.3%の医師が「利用している」ことが分かった。日経メディカル オンラインが実施した「高血圧治療に関する調査2009-2010」で明らかになった。

 調査は、日経メディカル オンラインが会員医師を対象に2009年12月10日から12月21日まで実施、計719人から回答を得た。回答者の内訳は、循環器内科27.7%、その他の内科43.3%、その他の診療科27.1%、無回答1.9%だった。

 調査では、日本高血圧学会の高血圧治療ガイドライン2009について、その閲覧状況、利用状況、利用目的、影響なども尋ねた。

 その結果、閲覧状況は、全体では「自らの診療に関係する項目を中心に読んだ」が46.5%でもっとも多かった。「ほとんどの項目を読んだ」が20.7%、「まだ読んでいない」が19.9%で続いた。「すべての項目を読んだ」 が7.0%あった一方、「ガイドラインを見ていない」も6.0%と少なくなかった。

 これを診療科目別にみると、循環器内科では「読んだ」と回答した人が多い傾向がみられ、逆に、その他の診療科目では「読んだ」との回答は減少する傾向にあった(図1)。

図1 ガイドラインの閲覧状況

 利用状況については、全体では、「よく利用している」が49.7%でもっとも多く、「ほとんど利用していない」が35.9%で続いた。「いつも利用している」は5.6%もあったが、その一方で「利用しなかった」も8.3%で少なくなかった。

 診療科目別で見ると、閲覧状況と似た傾向が見受けられた。循環器内科では、「よく利用している」が57.3%で、「ほとんど利用していない」が30.7%で続いた。「いつも利用している」は9.5%もあり、一方で「利用しなかった」は2.5%に過ぎなかった(図2)。

 「いつも利用している」と「よく利用している」の合計を診療科目別にみると、循環器内科は66.8%、その他の内科は57.9%、その他の診療科は38.0%だった(図2)。

図2 ガイドラインの利用状況

 ガイドラインの利用目的は、各診療科とも同じような傾向にあり、「治療方法の確認」がもっとも多かった。それぞれ「患者への説明」「診断方法の確認」が続いた(図3)。

図3 ガイドラインの利用目的(複数回答)

 日常診療に対する高血圧治療ガイドライン2009の影響については、全体では、「合併症の患者への降圧薬の使い方を見直すきっかけになった」が35.3%でもっとも多かった。「個々の患者の治療方針を見直すきっかけになった」が31.8%、「第一選択薬に採用している薬を見直すきっかけになった」が31.7%で続いた。このほか「初診時の高血圧管理計画を見直すきっかけになった」が29.2%、「患者に対する説明の内容を見直すきっかけになった」が23.5%などだった。

 診療科目別では、循環器内科とその他の内科は、全体と同じ傾向を示した。一方で、その他の診療科は、「第一選択薬に採用している薬を見直すきっかけになった」が40.5%でもっとも多いのが特徴だった(図4)。

図4 ガイドラインの影響(複数回答)

 なお、「高血圧治療に関する調査2009-2010」では、銘柄別の評価のほか、患者の状態別あるいは合併症別の第1選択薬、降圧薬で気にかける点などについても尋ねている。