新ガイドラインでは、前回と大きく変わった点として、血圧分類に「正常高値」が新たに導入されたこと、リスク評価に際して考慮すべきものにメタボリックシンドロームと慢性腎臓病(CKD)が加わったこと─などが挙げられる。このため、血圧に基づく脳心血管リスク層別化は、血圧分類が4段階、血圧以外のリスク要因が3段階という3×4のマトリックスで表されるようになり、より複雑な形になった(表1)。

表1 (診察室)血圧に基づいた脳心血管リスク層別化 【拡大表示は画像をクリック】

図1 JSH2009ガイドラインのリスク層別化の認知度と利用度

 しかし、今回の調査ではこうしたリスク層別化については、「認識している」との回答が77%と、高率を占めた。ただし、このリスク層別化を「全面的に診療に応用している」と答えたのは11%にすぎず、「一部を応用している」との回答が56%を占めた。また、「リスク層別化を知らない」「知っているが診療上考慮していない」との回答もそれぞれ17%、10%に上った(図1)。

図2 高リスクの患者に対する治療方針

 さらに、新ガイドラインでは初診時のリスク別に管理計画を示しており、例えば高リスクでは、正常高値・リスク第三層を除き、「直ちに降圧薬治療を開始する」と記載している。そこで高リスクの患者に対する初診時の管理計画を尋ねたところ、63%が「直ちに降圧薬治療を開始する」と答え、29%が「1カ月以内または3カ月以内の生活指導の後に降圧薬治療を開始する」と回答した(図2)。「後者の回答には血圧分類に正常高値が加わったことによる影響が考えられるが、92%が薬物治療を開始すると答えたことは評価に値する」と今井氏は語った。

 今回のアンケート調査結果より、「リスク層別化や治療管理計画も含め、JSH2009ガイドラインは比較的よく認知されていることが分かった。ただし、実践への応用など不十分な面もあり、今後さらにプロモーションが必要」との見解を今井氏は示した。