働く世代インフルエンザ予防接種率は高いのか低いのか。予防接種をする理由、あるいはしない理由は何なのか――。独立行政法人国立国際医療研究センター国際医療協力局の和田耕治氏らは、働く世代においてインフルエンザ予防接種をどのように推進していくかを検討するためには、現在の接種状況やその背景にある意識を明らかにすることが必要と判断、ネットによる調査を実施し、その成果を第72回日本公衆衛生学会で発表した。

和田耕治(独立行政法人国立国際医療研究センター国際医療協力局)
岩佐翼(東京医科大学医学部公衆衛生学)

 今年も、インフルエンザの予防接種がはじまりました。日本においてインフルエンザの予防接種は65歳以上あるいは60歳以上で障害1級程度の機能障害のある方を対象に勧奨されています。それ以外の人に対しては任意接種となっています。しかし、米国では生後6カ月以上のすべての人に推奨されています。

表1 調査の参加者

 今後、働く世代においてインフルエンザ予防接種をどのように推進していくかを検討するにあたり、現在の接種状況やその背景にある意識を明らかにすることが必要と考えました。これらの結果を第72回日本公衆衛生学会にて発表しましたのでその概要をご報告します。

 本調査はインターネットサーベイを用いて20歳から69歳の男女、約3000人を対象に行いました。調査は2011年9月に行い、2010年10月から2011年3月までの間にインフルエンザ接種をしたかどうか、接種した理由としない理由についても選択肢から重複回答可で質問しました。

接種したのは男性24%、女性28%
 参加者は3129人で、年代別でみると16〜23%となっていました(表1)。

 このうちインフルエンザワクチンを接種したのは811人(26%)、性別では男性380人(24%)、女性431人(28%)でした。年代別でみた接種した人の割合は、男女ともに60代が最も高くなっていました(表2)。公的補助制度があることが背景にあるようです。

表2 男女別、年代別にみた接種者の割合

なぜ、あなたは接種したのか?
 接種した理由としては回答が多い順に、「インフルエンザに感染するのを予防したいから」(83%)、「インフルエンザに感染しても重症化するのを予防したいから」(64%)、「同居家族に重症化のリスクの高い人がいるから」(25%)、「接種費用の補助があったから」(20%)となりました(表3)。

 性別・年代別の特徴をみると、30代女性に「同居家族に重症化のリスクの高い人がいる」と回答した割合が53%と高いこと、20代の男女に「家族、友人、知人に勧められたから」と回答した割合が高い(男性20%、女性17%)ことが分かりました。

<次のページへ>