65歳未満の成人糖尿病患者にとって、インフルエンザワクチンの接種は、65歳以上の高齢者同様に有益であることが示された。カナダ・Manitobaの集団コホート研究で明らかになったもので、糖尿病患者はハイリスクであり、インフルエンザワクチン接種の必要性が高いとする現ガイドラインを支持するエビデンスとなった。カナダUniversity of AlbertaのLau D.氏らが3月27日、Thorax誌のオンライン版で発表した。

 Lau氏らは、2000年から2008年までの期間を対象に、カナダ・Manitoba州の健康保険データベースから、18歳以上から65歳未満の成人糖尿病患者と65歳以上の高齢糖尿病患者、さらに高齢患者の1人に対して年齢、性別、保険加入地域を合わせた非糖尿病高齢者の2人をコホートに登録した。

 対象期間中の、インフルエンザ様症状での受診あるいは入院(ILI)、肺炎とインフルエンザによる入院(PI)、すべての原因による入院(ALL)の発生頻度を調査。交絡因子を補正した後の罹患数をもとに、65歳未満の成人糖尿病患者群、65歳以上の糖尿病患者群、65歳以上の非糖尿病患者群の3群間でワクチン効果を比較検討した。

 登録された糖尿病患者は9万5624人で、そのうち65歳未満が5万6513人(62%)だった。

 対象者は54万3367人・年。イベント別に発生頻度を見ると、ILIは22万3920人・年、PIは5422人・年、ALLは9万4988人・年で認めた。

 インフルエンザシーズン中について、インフルエンザワクチンの効果を検証したところ、65歳未満の成人糖尿病患者では、インフルエンザワクチンを接種していた人は、接種していなかった人に比べて、肺炎とインフルエンザによる入院(PI)が43%少なく(95%信頼区間:28-54%)、すべての原因による入院(ALL)も28%少なかった(95%CI:24-32%)。ただし、インフルエンザ様症状での受診あるいは入院(ILI)は、−1%(95%CI:−3〜1%)とワクチン効果は見られなかった。

 同様に、65歳以上の高齢者の場合、インフルエンザワクチン接種により、PIが糖尿病患者で45%、非糖尿病患者で55%、ALLがそれぞれ34%、33%、ILIがそれぞれ13%、12%の減少効果があった。65歳未満の成人糖尿病患者では、PIとALLにおいては、高齢者と同様の効果だったことになる。

 いくつかのガイドラインでは、糖尿病成人に対しても、季節性インフルエンザ予防のために年1回のワクチン接種を推奨している。今回の検討結果は、こうしたガイドラインを支持するものとなった。