今シーズンは、インフルエンザウイルスA/H3亜型だけでなく、A/H1pdm亜型の流行にも留意が必要のようだ。3〜5歳の低年齢層において、既にA/H1pdm亜型による集団感染例が報告されており、2009年のパンデミックを経験していない低年齢層を中心にA/H1pdm亜型が流行する可能性も指摘されている。

 国立感染症研究所がまとめているインフルエンザウイルス分離・検出状況(10月27日現在)を見ると、2015年36〜43週の間に検出されたウイルスのタイプは、A/H3亜型が51.2%と半数を超えていた。2009年に世界的に大流行したA/H1pdmも34.9%と高率だった。B型も検出されており、ビクトリア系統、山形系統ともに7.0%だった(検出総数は43件。図1)。

 昨シーズンの同期間を見ると、A/H3亜型が81.4%と高率で、A/H1pdmは7.0%と少なかった(n=86)。

 これまでに愛知県から、3〜5歳の低年齢層におけるA/H1pdm亜型による集団感染例が報告されている(IASR;2015年10月20日)。岡崎市内の保育園で2015年9月にインフルエンザの患者が10人確認されたもの。検体から4株が分離され、そのすべてがAH1pdm09亜型インフルエンザウイルスと判定された。

 この事例を報告した愛知県衛生研究所は、2009年の流行を経験していない年代で起こった集団感染であり、「低年齢層にA/H1pdmに感受性のある人が蓄積している可能性も考えられた」などと考察。低年齢層を中心にA/H1pdm亜型が流行する可能性もあることから、今後とも注視すべきだとしている。

図1 インフルエンザウイルス分離・検出状況(36〜43週の合計。2015/2016シーズンが43件、2014/2015シーズンが86件)


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