インフルエンザの罹患をきっかけに急性心不全を発症する高齢者が多いこともあって、冬季の急性心不全による救急搬送リスクは年平均の1.5倍に上昇することが明らかになっている。

 都内のCCUを有する71医療施設(計443のCCU病床)が参加する東京CCUネットワークが、2010〜11年に登録された6245例の急性心不全患者を対象に、月ごとの緊急入院例を解析したところ、1月は年平均の1.5倍もの心不全患者が救急搬入されていた(図1)。最も多いのは1月で600件近くに達していた。12月が500件、2月から4月にかけて400件超と続き、インフルエンザの流行に沿った推移を示していた。

 解析に当たった武蔵野赤十字病院の宮本貴庸氏は、「冬季はインフルエンザや肺炎などへの罹患が、高齢者の心不全発症の引き金となり得る」と話している。

 今シーズンは、一部でインフルエンザ・ワクチンの出荷が遅れているため、医療機関によっては予防接種を始められないところも出始めている。こうした接種の遅れにより罹患率が高まり、心不全救急搬送リスクがさらに上昇する懸念も出ている。

図1 月ごとに見た急性不全患者の緊急入院例(東京CCUネットワーク)