国立感染症研究所は1月6日、札幌市でタミフル耐性A/H1N1pdm09ウイルスが検出されたと発表した。2013/14シーズンに、札幌市の患者から分離されたA(H1N1)pdm09ウイルス5株について、札幌市衛生研究所が遺伝子解析による薬剤耐性マーカーの1次スクリーニングを行ったところ、5株すべてがH275Y変異を持っていることが明らかになった。

 さらに国立感染症研究所で、抗インフルエンザ薬であるタミフル、ラピアクタ、リレンザ、イナビルに対する薬剤感受性試験を行った結果、H275Y変異が確認された5株は、いずれもタミフルとラピアクタに対して耐性を示すことが確認された。一方、リレンザおよびイナビルに対しては感受性を保持していた。

 また、この5株とは別に、2013年11月中旬に札幌市内の病院で、健康成人の重症インフルエンザ症例が確認され、国立病院機構仙台医療センターで検体を検査したところ、さきの5株と同様にH275Y変異をもつことが明らかになった。

 これらの6株は、4例が10歳以下の小児、2例が成人から検出されたものだった。いずれも散発例で、個々の患者の間で直接的な感染伝播はなかったと判断されたという。しかしながら、6株のウイルスのHA遺伝子およびNA遺伝子の塩基配列はほぼ同じであることから、「同一の耐性ウイルスが札幌市内で伝播されている可能性が高い」としている。

 6例の患者は検体採取前に抗インフルエンザ薬の投与を受けていなかったことから、薬剤により患者の体内で耐性ウイルスが選択された可能性は否定される、としている。

 今回札幌市で確認された耐性ウイルスは、タミフルとラピアクタに対する感受性は500倍以上低下していたことが分かっている。一方、リレンザとイナビルに対する感受性は低下していなかった。このことから感染研では、「地域における耐性ウイルスの検出状況を考慮し、臨床経過から薬剤耐性が疑われる場合には、交叉耐性を示さない薬剤を使用することを考慮すべきであろう」との見解を示している。

■参考文献
<速報>2013/14シーズンに札幌市で検出された抗インフルエンザ薬耐性A(H1N1)pdm09ウイルス