抗インフルエンザ薬のうち吸入薬であるリレンザイナビルについては、数近くが「患者の状態に合わせて使い分けるべき」と考えていた。小児科に限ると6割に上ることも分かった。また、ラピアクタの外来での使用経験は37.3%、麻黄湯の使用経験は26.8%だった。「2012/13シーズン・インフルエンザ治療・レビュー調査」で明らかになった。

 調査では、吸入薬の使い分けに対する考え方、吸入の場所、吸入薬の主たる指導担当、ラピアクタの外来での使用経験、さらに麻黄湯の使用などについても尋ねた。今回はそれぞれの結果を報告する。

吸入薬であるリレンザとイナビルの使い分けは

 調査では、同じ吸入薬であるリレンザとイナビルの使い分けについて、考え方を明らかにした。「患者の状態に合わせて使い分けるべき」「使い分ける必要はない」「分からない」の選択肢を提示し、考えの近いものを選んでもらった。

 その結果、全体では、「患者の状態に合わせて使い分けるべき」が49.5%で最も多かった。一方「使い分ける必要はない」は22.8%で、「使い分けるべき」の半分以下だった。ただし「分からない」も26.8%あった(図1)。

 前回調査(2012年9月実施)では、「患者の状態に合わせて使い分けるべき」は48.4%だった(n=794)。一方「使い分ける必要はない」は23.2%だった。2012/13シーズンを経て、「患者の状態に合わせて使い分けるべき」と考えている医師が1.1ポイント増えたことになる。

 診療科別にみると、小児科(n=102)の医師は「患者の状態に合わせて使い分けるべき」と考える人が57.8%と多かった。一方、一般内科(n=342)の医師は54.1%とこちらも半数を超えていた。

図1 吸入薬であるリレンザとイナビルの使い分け(n=879)

図2 リレンザ(初回吸入)あるいはイナビルの吸入場所(n=879)

 次に、リレンザ(初回吸入)あるいはイナビルの吸入場所は、主にどこかを尋ねたところ、院内が39.9%、調剤薬局が27.4%、患者の自宅が31.1%だった(図2)。前回調査(2012年9月実施)と比べると、調剤薬局が6.1ポイント増加した。

 病院と診療所別にみると、病院では、院内が40.9%、調剤薬局が24.8%、患者の自宅が32.7%となった。一方、診療所では、それぞれ38.2%、32.9%、27.6%となっていた。

図3 主として吸入指導を行う人(n=879)

 また吸入指導を担当しているのは、主にだれかを尋ねたところ、医師が15.5%、薬剤師が65.1%、看護師が17.2%であり、薬剤師が中心との結果となった(図3)。前回調査(2012年9月実施)と比べると、薬剤師の割合が3.5ポイント増加していた。薬剤師の役割が高まってきていることがうかがえた。

 病院と診療所別にみると、病院では医師が12.4%、薬剤師が68.6%、看護師が17.1%、その他が0.5%だった。一方、診療所ではそれぞれ24.9%、54.7%、17.8%、1.8%となっていた。病院の方が薬剤師の役割がより重要となっていた。

ラピアクタの外来での使用、「ある」が37.3%

 ラピアクタについて、外来での使用について尋ねたところ、「使用したことがある」が37.3%(前回25.3%)だった(図4)。今後の方針については、「内服あるいは吸入が困難な患者に使用する」が85.4%と大半で、「患者全般に使用する」は10.5%だった(図5)。

 前回調査との比較では、「使用したことがある」が12ポイントも増加していた点が注目される。

 診療科別では、小児科(n=102)で51.0%が「使用したことがある」と回答。一般内科(n=342)も47.7%と半数近くに上った。

図4 外来におけるラピアクタの使用経験(n=879)

図5 ラピアクタ使用の今後の方針(n=879)

麻黄湯を「使っている」が26.8%

 インフルエンザ治療に麻黄湯を使っているかどうかも尋ねた。その結果、「使っている」は26.8%だった(図6)。今後の方針では、「使う予定がある」が28.2%で実績を上回っていた(図7)。

 前回調査との比較では、「使っている」が27.2%から0.4ポイントとわずかに減少した。また、今後の方針では「使う予定がある」が31.6%だったが、今回調査で3.4ポイント減少した。

 診療科目別では、一般内科(n=342)で33.0%が「使っている」と回答していた。一方、小児科(n=102)は24.5%と全体を下回っていた。

図6 インフルエンザ治療における麻黄湯の使用経験(n=879)

図7 インフルエンザ治療における麻黄湯の使用予定(n=879)

■ 回答者のプロフィール

・年齢;29歳以下5.2%、30〜34歳9.4%、35〜39歳13.8%、40〜44歳14.1%、45〜49歳20.5%、50〜54歳18.1%、55〜59歳11.7%、60歳以上6.9%、無回答0.2%。
・勤務形態;診療所開業14.3%、診療所勤務11.3%、病院開業0.7%、一般病院勤務60.1%、大学病院勤務11.6%、その他1.6%、無回答0.5%。
・病床数;無床24.0%、1〜19床2.2%、20〜99床6.8%、100〜199床15.5%、200〜299床9.3%、300床以上41.2%、無回答1.0%。
・専門科目;小児科11.6%、耳鼻咽喉科1.7%、眼科0.9%、一般内科38.9%、一般外科7.6%、整形外科2.7%、産婦人科2.0%、循環器内科7.7%、糖尿病・内分泌代謝内科4.1%、消化器内科3.4%、その他の科目18.9%、無回答0.3%。
・勤務先所在地;北海道・東北11.8%、関東26.2%、中部16.9%、近畿23.0%、中国・四国10.3%、九州・沖縄11.2%。