「2012/13シーズン・インフルエンザ治療・レビュー調査」では、外来・入院別、年齢別に見た抗インフルエンザ薬の使用方針についても明らかにした。外来では、年齢別にみた使用方針は、タミフルとリレンザあるいはイナビルで異なるパターンを示した。入院では、重症例ほどラピアクタが選択されている実態が浮き彫りになった。

 調査は、2012/13シーズンを振り返り、診療方針、感染対策などの実際はどうだったのかを把握するために実施した。対象は日経メディカル オンラインの医師会員で、4月9日から4月28日までの間に、879人から回答を得た(回答者のプロフィールは文末参照)。

外来診療における抗インフルエンザ薬の使用方針

 調査では、外来診療における抗インフルエンザ薬の使用方針についても明らかにした。外来患者の年齢別にみた、抗インフルエンザ薬の使用の優先順位を尋ねたところ、以下の特徴が浮かび上がった。

 まず「10〜19歳まで」が他の年齢層と大きく違うパターンを示した。原則、タミフルが使えない10代だが、それでも16.5%の人が優先順位1位に挙げていた(図1)。

 全体的にみると、タミフルは「10〜19歳」を底とするV字型となっている。一方でリレンザ、イナビルは逆V字型であることがうかがえた。ラピアクタは「0〜4歳ぐらい」「65歳以上」「5〜9歳ぐらい」の順で、優先順位1位の割合が高くなっていた。

図1 外来診療における抗インフルエンザ薬の使用方針(年齢別に見た使用優先順位の1位、n=879)

 なお、外来診療での使用方針の中で、「0歳」において吸入薬が選択されている点については、実際の診療を反映していない可能性がある。


入院患者への抗インフルエンザ薬の使用方針

 入院患者への抗インフルエンザ薬の使用方針についても尋ねた。入院患者を診た経験のある医師に第1選択薬について尋ねたところ、「重症で生命の危険がある患者(日本感染症学会提言;全身管理が必要な例、呼吸状態の悪化例、心不全併発例、重大な臓器障害例など)」および「生命に危険は迫っていないが入院管理が必要と判断される患者(日本感染症学会提言;重症で生命の危険がある患者には該当しないが入院が必要と考えられる患者、合併症等で重症化の恐れがある患者など)」のいずれでも、ラピアクタが1位だった。また重症例ほどラピアクタの割合が多くなっていた(図2、3)。

図2 重症で生命の危険がある患者(日本感染症学会提言;全身管理が必要な例、呼吸状態の悪化例、心不全併発例、重大な臓器障害例など)に対する第1選択薬(n=879)

図3 生命に危険は迫っていないが入院管理が必要と判断される患者(日本感染症学会提言;重症で生命の危険がある患者には該当しないが入院が必要と考えられる患者、合併症等で重症化の恐れがある患者など)に対する第1選択薬(n=879)

 患者の年齢別に優先順位の1位をみると、「20〜64歳まで」は、タミフルがラピアクタよりわずかながら高くなっていた。これ以外の年齢層では、ラピアクタが優先順位1位の割合が高いという結果だった(図4)。

図4 年齢別に見た入院患者への抗インフルエンザ薬の使用優先順位の1位

■ 回答者のプロフィール

・年齢;29歳以下5.2%、30〜34歳9.4%、35〜39歳13.8%、40〜44歳14.1%、45〜49歳20.5%、50〜54歳18.1%、55〜59歳11.7%、60歳以上6.9%、無回答0.2%。
・勤務形態;診療所開業14.3%、診療所勤務11.3%、病院開業0.7%、一般病院勤務60.1%、大学病院勤務11.6%、その他1.6%、無回答0.5%。
・病床数;無床24.0%、1〜19床2.2%、20〜99床6.8%、100〜199床15.5%、200〜299床9.3%、300床以上41.2%、無回答1.0%。
・専門科目;小児科11.6%、耳鼻咽喉科1.7%、眼科0.9%、一般内科38.9%、一般外科7.6%、整形外科2.7%、産婦人科2.0%、循環器内科7.7%、糖尿病・内分泌代謝内科4.1%、消化器内科3.4%、その他の科目18.9%、無回答0.3%。
・勤務先所在地;北海道・東北11.8%、関東26.2%、中部16.9%、近畿23.0%、中国・四国10.3%、九州・沖縄11.2%。