2011/12シーズンは、どのようなインフルエンザ対策を実施したのか――。いくつかの選択肢を提示して回答者に選んでもらったところ、「マスクの利用」が79.3%、「迅速診断キットの確保」が69.5%、「手指消毒薬の設置」が64.4%などとなった。インフルエンザ診療Next編集が実施した「2011/12シーズン・インフルエンザ治療・レビュー調査」で明らかになった。

 調査は、2011/12シーズンを振り返り、診療方針、感染対策などの実際はどうだったのかを把握するために実施した。対象は日経メディカル オンラインの医師会員で、9月6日から9月21日までの間に、794人から回答を得た(回答者のプロフィールは文末参照)。

 調査では、医師自身のインフルエンザワクチン接種の状況について尋ねた。その結果、91.2%もの人が接種していたことが分かった(既報)。インフル対策の一環として、医師のワクチン接種を尋ねたわけだが、このほかに医療機関としてどのような対策をとったのかも質問した。

 「マスクの利用」「迅速診断キットの確保」「手指消毒剤の設置」「患者に対するインフルエンザワクチン接種の実施」「抗インフルエンザ薬の確保」など9項目を提示し、実施した対策を尋ねた。

 その結果、「マスクの利用」が79.3%で回答者の約80%に達した。これに、「迅速診断キットの確保」が69.5%、「手指消毒剤の設置」が64.4%、「患者に対するインフルエンザワクチン接種の実施」が63.1%、「抗インフルエンザ薬の確保」が61.1%で続いた(図1)。ここまでの5項目は60%を超えており、多くの医療機関でとられていた対策と考えられた。

図1 2011/12シーズンに実施したインフルエンザ対策(複数回答。n=794)

 「院内体制の確認」は43.3%、「ハイリスク患者への説明あるいは指導」は39.8%で、予想したほどの数字ではなかった。また、「うがい薬の設置」は19.9%、「患者説明用リーフなどの提供」は17.4%と、それぞれ20%に至らず低水準であった。

 これらの選択肢以外にとった対策を具体的に記入してもらったところ、以下のような情報が得られた。

表1 選択肢以外の具体的な対策(自由記入欄から)

 感冒患者に受付でマスク着用を求めた。
 発熱患者と非発熱患者の待合室での場所を分けた。
 基本は予防を重点的に行い、インフルエンザが疑われる患者は受診の時点で別室に待機する対応とした。
 重症心身障害者に対しては積極的に接種を推奨している。
 職員、職員家族に対するワクチン接種を優先実施。
 透析患者にタミフル・麻黄湯を事前配布している。
 病棟への限定的な立ち入り制限(お見舞い・小児等)。
 臨床的にインフルエンザと考えられる患者に対しては、迅速キット陰性でも抗インフルエンザ薬を投与した。

 このほか、「感染対策について定期的な学習会を行っている」や「インフルエンザ対応マニュアルを毎年見直している」などの意見もあり、不断の努力を欠かさない医療現場の姿がうかがえた。

■回答者のプロフィール

・年齢;29歳以下5.7%、30〜34歳10.8%、35〜39歳14.1%、40〜44歳14.5%、45〜49歳19.0%、50〜54歳18.5%、55〜59歳9.6%、60歳以上7.3%、無回答0.5%。
・勤務形態;診療所開業15.0%、診療所勤務11.3%、病院開業0.1%、一般病院勤務58.2%、大学病院勤務12.8%、その他2.0%、無回答0.5%。
・病床数;無床25.3%、1〜19床2.0%、20〜99床6.5%、100〜199床12.8%、200〜299床9.8%、300床以上42.2%、無回答1.3%。
・専門科目;小児科10.2%、耳鼻咽喉科2.0%、眼科1.6%、一般内科37.8%、一般外科6.8%、整形外科3.4%、産婦人科2.3%、循環器内科7.9%、糖尿病・内分泌代謝内科2.6%、消化器内科2.9%、その他の科目22.0%、無回答0.4%。
・勤務先所在地;北海道・東北5.9%、関東27.6%、中部15.7%、近畿23.3%、中国・四国10.2%、九州・沖縄10.6%。