図1 沖縄県のインフルエンザ流行パターン(定点当たり届出数の推移)

 都道府県別に、インフルエンザ2011/12シーズンの流行パターンを調べたところ、「沖縄県ではなお流行中」「全域での流行入りが早かったのは中部」「群馬・鳥取・長崎は全域で警報レベルに達しなかった」など、いくつか興味深い特徴が明らかになった。

 最も特徴的なのは沖縄県。2010/11シーズンの夏場は比較的落ち着いた動きだったが、2011/12シーズンは夏季においても流行が続くパターンが復活したようだ。2011年40週に全県的にインフルエンザ定点当たり届出数が「1人」を超えてから、2012年25週に至ってもなお「1人」を超えたままである(図1)。沖縄県感染症情報センターによると、26週は7.88人と3週連続で増加している。特に南部保健所管内では、14.67人と注意報レベル(10人)を超えている。

 流行入りからの推移を振り返ると、全域で注意報レベル「10人」を超えたのは2012年2週。それから3週後に警報レベルである「30人」を超え、2012年6週にピーク(35.72人)に達した。その後、13週まで警報レベル(10人以上)が続いた。警報レベルは9週間続いた。14週から16週の3週間は10人を切ったが、17週に再び10人を超え、18週も11.67人だった。19週に8.00人に下がりその後は5〜7人で推移している。

 沖縄県のインフルエンザウイルス検出情報によると、26週にH3型が検出されている。26週まではB型の検出が続いていたが、26週にH3型が3件、27週にも2件と目立ってきた。一方、B型は24〜26週が1件ずつで、27週は本日現在、検出されていない。最近検出されたH3型が昨年夏季に検出されたH3型と異なる株なのかどうか、さらなる解析が待たれる。

群馬鳥取長崎は「立ち上がり遅く、ピークも低く」

図2 群馬県のインフルエンザ流行パターン(定点当たり届出数の推移)

 沖縄県に次いで、全域での流行入りが早かったのは宮城県で46週だった。翌週には三重県、その翌週に岐阜県、愛知県が、さらに、鳥取県、岡山県、山口県が流行入りしていった。49週には全国平均で流行入りしたが、宮城県の10.33人が全体を押し上げる格好だった。

 全体として年末に向けて患者数は増えていったが、51週に流行入りしていたのは38府県だった。東京都や神奈川県、茨城県の関東3都県、あるいは新潟県や山梨県、さらに九州の佐賀県、長崎県、熊本県、鹿児島県の合計9都県は、全域での流行入りはしていなかった。

 また、群馬県(図2)、鳥取県、長崎県では全域での警報レベルに達しなかった。各県の流行パターンをみると、立ち上がりのカーブが比較的なだらかな動きを示しているのが分かる。2009年に、H1N1pdm2009が流行した際、「流行のスピードを遅らせ、ピークを低くする」という対策目標が盛んに言われたものだ。各県での感染予防対策が功を奏した結果と受け止めていいのではないだろうか。

*各都道府県の流行パターンは、以下のページを参照してください(クリックするとそれぞれのページに飛びます)。

2p ■北海道・東北(北海道、青森、秋田、岩手、宮城、山形、福島)
3p ■関東(栃木、茨城、群馬、千葉、埼玉、東京、神奈川)
4p ■北陸・東海・中部(新潟、富山、石川、福井、山梨、長野、岐阜、静岡、愛知)
5p ■近畿(三重、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
6p ■中国・四国(鳥取、島根、岡山、広島、山口、香川、徳島、愛媛、高知)
7p ■九州・沖縄(福岡、大分、佐賀、長崎、熊本、宮崎、鹿児島、沖縄)