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EBM:TOPICS

2009/11/30

JUPITER

LDL値正常/CRP高値の高齢者へのロスバスタチン投与は一次予防効果あり

Justification for Use of Statins in Primary Prevention: an Intervention Trial Evaluating Rosuvastaitn

関連ジャンル:
脂質異常症
循環器

 これまで高齢者におけるスタチンの一次予防効果は明確ではなかったが、LDLコレステロールLDL-C)値が正常で、炎症マーカーである高感度CRPhsCRP)が高値を示す高齢者に対してロスバスタチンを投与することで、心血管イベント発症が39%有意に減少することが明らかとなった。米Brigham and Women's 病院のRobert J Glynn氏が、JUPITER試験のサブ解析の結果として報告した。

 Glynn氏は、高齢者へのスタチン投与が二次予防に有益であることがこれまでの臨床試験のサブ解析データで既に示されていると指摘した。例えば、高齢者を対象にしたPROSPER試験(70 〜 82歳、平均年齢75歳、5804例)では、プラバスタチン(40mg/日)投与により一次評価項目(冠動脈疾患死+非致死的心筋梗塞+全脳卒中)が15%有意に減少した(p=0.014)。

 しかし、血管疾患の既往がない患者(全体の約56%)における一次評価項目のリスク減少は6%とプラセボ群と比べて有意差がないという結果だった(p=0.19)。

 一方、一次予防に関して評価した大規模臨床試験であるWOSCOPS、AFCAPS/TEXCAPS、MEGAが対象とした平均年齢は、WOSCOPSが55歳、後者2 試験が58 歳と、JUPITERの66歳と比べて低かった。

 このように、これまでに非糖尿病の高齢者を対象に実施したスタチンの一次予防のエビデンスは限定的なものであったといえる。

 そこでGlynn氏らは、高齢者の参加が多かったJUPITERについて、70歳以上の高齢者群と70歳未満群に分けて、主要評価項目に与える影響を検討した。

 JUPITERの対象は、心血管疾患既往や糖尿病歴がなく、LDL-C値は正常(<130mg/dL)だがhsCRP値が高値(≧2mg/L)を示す患者(男性≧50歳、女性≧60歳)。

 試験の結果、ロスバスタチン(20mg/日)群(8901例)はプラセボ群(8901例)と比べて、主要評価項目(非致死性心筋梗塞+非致死性脳卒中+不安定狭心症による入院+血行再建術施行+心血管死)が44%有意に減少する(p<0.00001)ことが昨年報告されていた(Ridker PM etal. N Engl J Med.2008;359:2195-2207)。

一次評価項目が39%有意に減少

 今回報告された高齢者サブ解析では、70歳以上の高齢者群(70-97歳、中央値74歳:5695例)と70歳未満群(50-69歳、中央値63歳:1万2107例)に分け、ロスバスタチン群とプラセボ群の予後に与える影響を比較検討した。

 高齢者群と70歳未満群のLDL-C値が100mg/dL以上の割合は65%と64%、hsCRPが5/L以上の割合は42%と41%と同等だったが、高齢者群では女性が多く、高血圧の頻度が高く、BMI≧30/m2や喫煙および低HDL血症の頻度が低かった。

 12カ月後、36カ月後におけるLDL-CとhsCRPの到達値は高齢者群と70歳未満群の間でほぼ同じだが、高齢者群と70歳未満群ともにロスバスタチン群ではプラセボ群より低かった(表1)。

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 高齢者群での一次評価項目は、ロスバスタチン群194イベントでプラセボ群に比べ39%有意に減少した。全心筋梗塞、全脳卒中、血行再建術施行+不安定狭心症、心筋梗塞+脳卒中+心血管死なども、ロスバスタチン群で有意に減少した。

 70歳未満群でも、一次評価項目を始めとした各イベントは、ロスバスタチン群で有意に減少した。高齢者群と70歳未満群を比べると、高齢者群で血行再建術施行+不安定狭心症を除く項目の減少率が低かった(表2、図1)。

(画像をクリックすると拡大します)

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 一方、高齢者群におけるロスバスタチン投与によるNNT(number needed to treat:1年間で1イベントを予防するために必要とする治療患者数)は主要評価項目で19と、70歳未満群の29より少なく、治療効果に優れていた。高齢者群におけるロスバスタチン投与による心筋梗塞+脳卒中+心血管死(一次評価項目)、一次評価項目+全死亡、一次評価項目+死亡+静脈血栓塞栓症のNNTは各々29、15、14で(70歳未満群は各々55、23、21)、同様に高齢者群で優れていた。

 有害事象は、70歳未満群におけるロスバスタチン投与で糖尿病発症が有意に増加したが(p=0.03)、筋力低下・筋肉のこわばりや疼痛、腎障害、肝障害などの有害事象は両群ともに有意な増加は認められなかった。Glynn氏は、「今回のサブ解析の結果は、高齢者の一次予防においてスタチン治療が利益であることの確たるエビデンスを提供するものである。高齢者で得られた相対的治療効果と安全性は、70歳未満群と匹敵するものであった」と締めくくった。

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