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EBM:TOPICS

2009/11/24

RE-LY

dabigatranのワルファリンに対する非劣性を証明

Randomized Evaluation of Long-Term Anticoagulant Therapy, Warfarin, Compared with Dabigatran

関連ジャンル:
脳血管
血栓
不整脈

 心房細動AF)患者の脳卒中予防には、ワルファリンが用いられている。しかし、出血リスクが増加するため、定期的なINR国際標準化プロトロンビン比)に基づく血中濃度モニタリングと投与量調整が必要とされる。また、他の薬剤や食物との相互作用があり、患者のアドヒアランスが低下する原因となっている。

 現在開発中の直接トロンビン阻害作用を持つ経口抗凝固薬dabigatranのワルファリン群に対する非劣性、および非劣性が確認されれば優越性を評価するために2用量(110mg群、150mg群)で行われたのがRE-LYで、dabigatranはワルファリンと同等以上の有効性と安全性が得られることが示された。カナダMcMaster大のStuart Connolly氏が報告した。

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 RE-LYの対象は、脳卒中危険因子を少なくとも1つ以上有する非弁膜症性AF患者1万8113例(日本を含む44カ国、951施設)。ワルファリン群(INR2.0 〜 3.0を維持:6022例)はオープンラベルで投与され、dabigatran110mg群(1日2回:6015例)および150mg群(1日2回:6076例)は盲検法で投与された(図1)。

 追跡期間中央値は2年。3群間の登録時患者背景に有意な差はなく、平均年齢約71歳、男性比率約63 %、CHADS2スコアの平均は2.1、脳卒中/一過性脳虚血性発作(TIA)既往例は約20%、心筋梗塞既往例は約17%だった。

ワルファリンに対する非劣性を確認

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 一次評価項目(脳卒中+全身性塞栓症)の年間発症率は、ワルファリン群1.7 %、dabigatran110mg群1.5%、150mg群1.1%と、dabigatran両群でワルファリンに対する非劣性が証明された(図2)。「脳卒中+全身性塞栓症」の累積発症率を解析した結果、dabigatran150mg群はワルファリン群に比べ有意に減少した(図3)。一方、出血性脳卒中は、dabigatran両群ともにワルファリン群より有意に減少した(いずれもp<0.001)。

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ワルファリンより大出血が減少

 安全性評価項目のうち大出血(Hb値が2.0g/L以下の減少、2単位の輸血、重要領域・臓器での症候性出血)はdabigatran150mg群3.1%、ワルファリン群3.4%と同程度だったが、dabigatran110mg群では2.7%と有意に減少した。生命を脅かすような出血は、ワルファリン群1.8%、dabigatran110mg群1.2 %、150mg群1.5 %と、dabigatran両群でワルファリンに比べ有意な減少が認められた。

 しかし、dabigatran150mg群では大出血である消化管出血がワルファリンに比べ有意に増加した(表1)。

 二次評価項目のうち総死亡は、dabigatran110mg群、150mg群ともにワルファリン群との間で有意差はなかった(p=0.13とp=0.05)。しかし心筋梗塞は、ワルファリン群よりdabigatran両群で高く、150mg群で有意差が認められた(p=0.048)。

 有害事象に関しては、消化不良がdabigatran両群で有意に高かったが(p<0.001)、その他ではワルファリン群と差は認められず、肝機能異常(ALTやASTが正常上限の3倍以上)に関してもdabigatran両群とワルファリン群で有意差はなかった。

 Connolly氏は、「dabigatranの両用量ともワルファリンより有益である。ワルファリンと比べてdabigatran150mgはより有効、 dabigatran110mgはより安全であり、個々の患者特性を踏まえた個別治療ができる可能性がある」とまとめた。

 ディスカッサントとして登壇した英国St.George's大のJohn Camm氏は、,匹舛蕕陵冦未鯀ぶべきか、▲錺襯侫.螢鵑納N鼎靴討い覺擬圓dabigatranに変更すべきか、9睥霄圓任dabigatranは有益か、dabigatranの中和薬(必要なとき効果を消去する方法)がないのは問題か、ソ細動を必要とする患者に対してはどうすると良いのか(抗凝固効果がモニターされないことで、患者や医師が不安を覚えはしないか)と問題点を指摘した上で、「脳卒中を減少させ、モニタリングが不要であるdabigatranは優れた治療法だ」とコメントした。

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