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EBM:TOPICS

2008/4/21

LIVES Study

日本人約2万例で確認されたピタバスタチンの安全性と有効性

Livalo Effectiveness and Safety Study

関連ジャンル:
高血圧
臨床研究

 スタチン動脈硬化性疾患の予防を目的として長期投与される場合が多く、有効性のみならず安全性に関しても重要視される。

 国内外の大規模臨床試験の結果から、既にスタチンの有効性は確立している。また安全性に関する情報は、日本においてはMEGA studyなどの比較的マイルドな作用を持つスタチンによる試験の結果から確立されてきたが、ストロングスタチンに関してはいまだ情報が不足しているのが現状である。

 そうした背景の下、日本人約2万例を対象にストロングスタチンであるピタバスタチン(商品名;リバロ)の安全性・有効性に関する前向き調査として実施されているのがLIVES Studyである。

 ピタバスタチン投与開始から3カ月間を「使用成績調査」、投与開始から2年間を「長期使用に関する特別調査」と位置付け、患者背景、ピタバスタチンの投与状況、併用薬の使用状況、臨床検査値、有害事象を調査する。

 有害事象のうち、重点調査項目として、横紋筋融解症、全身的な筋肉痛、四肢の脱力などの筋障害、クレアチンキナーゼ(CK)の異常変動、肝機能障害(ALT、ASTの異常変動)、白内障、併用薬の使用状況が挙げられている。

 最近では、2007年10月にニューヨークで開催されたDALM2007(DRUGS AFFECTING LIPID METABOLISM 2007)において1年までの集計結果が報告されており、開発段階の臨床試験では得られない、使用実態下におけるピタバスタチンの安全性と有効性を把握する研究として、その結果が注目されている。

 報告されている3カ月までの使用成績調査の結果のうち、安全性について見ると、副作用発現率は6.1%(1206/1万9921例)。承認時の発現率と比べて同程度もしくはそれ以下で、その多くは軽微なものだった(表1)。

使用成績調査で示された副作用発現率は6.1%

 重点調査項目の結果では、筋障害関連副作用発現率は2.5%(497/1万9921例)。内容・頻度ともに「使用上の注意」から予測できるものであり、またその多くは軽微なもので、重篤な副作用は認められなかった。CK値の変化量もわずかなものだった。

 肝機能障害関連副作用は1.4%(282/1万9921例)。こちらも内容・頻度ともに「使用上の注意」から予測できるもので、重篤例2例を除き、ほとんどが軽微なものだった。ALT、ASTの変化量はわずかなものだった。

 白内障に関する副作用は、使用成績調査期間中には認められなかった。

ハイリスク患者においても高い目標値到達率を示す

 有効性について見ると、類薬からの切り替え例も含め、LDLコレステロール(LDL-C)値低下率は27.9%、HDLコレステロール(HDL-C)値(投与前値40mg/dL未満)が14.2%上昇し、トリグリセライド(TG)値(投与前値150mg/dL以上)は19.3%低下した。

 脂質管理目標値到達率は、「動脈硬化性疾患診療ガイドライン2002年版」におけるカテゴリーA、B1、B2で約80%、B3、B4で約60%、Cで40%台だった(図1)。

 この調査の1日投与量が、2mgは約60%、1mgは約40%であることを考慮すると、この結果はピタバスタチンのストロングスタチンとしての有用性を裏付けるといえる。

 帝京大学医学部内科学講座主任教授でLIVES Study医学アドバイザーを務める寺本民生氏は、「LIVES Studyでは薬剤使用中に起こった事象は因果関係を否定できないものをすべて副作用として集計している。それで6.1%だったわけで、副作用としては多くはないという印象を持っている」と話す。

 一般にスタチンで問題となる横紋筋融解症については軽微なものが1例報告されたが、この症例についてはCK値が783IU/L(投与開始前は679IU/L)と、いわゆるACC/AHA/NHLBIのスタチンによる横紋筋融解症の定義には入らないものだったという。

 臨床上問題となる薬物相互作用は肝臓での代謝を介するものが多く、この代謝過程における薬物相互作用の大半はチトクロームP450(CYP)という代謝酵素がからんでいるといわれている。

 一般に、脂溶性薬剤はCYPの影響を受けやすいが、ピタバスタチンは脂溶性でありながらCYPによる代謝の影響を受けにくいという特徴があることから、「ピタバスタチンは使いやすい薬剤の1つ」と寺本氏も指摘している。

 一方、有効性についても「LDL-Cの低下率はもちろん、HDL-Cが上昇し、TGが低下した点も総合的な脂質改善作用を有するピタバスタチンの特徴を表している」と評価した。

引き続き3年間のフォローアップも予定

 LIVES Studyにより示された安全性と有効性により、使いやすいストロングスタチンとして評価されることが期待される。

 なお、LIVES Studyは2年間の「長期使用に関する特別調査」に引き続き、3年間のフォローアップを行い、5年間での心・脳血管イベントの発症頻度を検討する「LIVES Study Extension」を予定している。

(日経メディカル別冊)

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